专利摘要:
莢膜多糖(cp)は、種々の細菌性疾患に関与している細菌の表面上に見られる重要な免疫原である。この特徴により、莢膜多糖は、ワクチンの設計において重要な成分となっている。莢膜多糖は、特に、担体タンパク質と連結させると、免疫応答の誘起に有用であることが示されている。本発明は、細菌培養の分野におけるものであり、特に、フィードバッチ式培養における連鎖球菌属菌株からの細菌莢膜多糖の生産を改善するための培養条件の最適化、および連鎖球菌属菌株からの細菌莢膜多糖の生産規模精製に適し、これまでの生産規模で得られるものより高い純度レベルがもたらされる新規な精製方法に関する。
公开号:JP2011507501A
申请号:JP2010538947
申请日:2008-12-19
公开日:2011-03-10
发明作者:ロベルト オリビエリー,;パオロ コスタンチーノ,;コンセッタ;マリア シカラ,;フランチェスコ ノレーリー,;ジュリア バゾッキー,;シルビア フォンタニ,;フランチェスコ ベルチ,
申请人:ノバルティス アーゲー;
IPC主号:C12N1-20
专利说明:

[0001] 本願は、2007年12月20日に出願された米国仮特許出願第61/008,941号および2008年10月8日に出願された英国特許出願第0818453.3号の利益を主張する。米国仮特許出願第61/008,941号および英国特許出願第0818453.3号の両方は、その全体が参考により本明細書中に援用される。]
[0002] 発明の分野
本発明は、細菌培養の分野におけるものであり、好ましくは、細菌莢膜多糖の生産を改善するための培養条件の最適化および新規な精製方法に関する。]
背景技術

[0003] 発明の背景
莢膜多糖(cp)は、種々の細菌性疾患に関与している細菌の表面上に見られる重要な免疫原である。この特徴により、莢膜多糖は、ワクチンの設計において重要な成分となっている。莢膜多糖は、特に、担体タンパク質と連結させると、免疫応答の誘起に有用であることが示されている(参考文献1)。]
[0004] 典型的には、莢膜多糖は、複合培地中でのバッチ式培養(B群連鎖球菌属、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniaeおよびHaemophilus influenzae)、フィードバッチ式培養(H.influenzae)または連続式培養(B群連鎖球菌属およびLactobacillus rhamnosus)を用いて生産させる(参考文献2〜7)。ほとんどの研究では、インキュベーション中に増殖速度、栄養素レベルおよび代謝濃度が変化するバッチ式培養系が使用された。かかる系では、1つの要素の変化により、増殖と関連している他の要素の変化がもたらされ、これが、予測不可能に収率に影響することがあり得る。連続式培養では、研究者が、バッチ式培養での増殖中、相互依存性のパラメータ(増殖速度、栄養素および生成物濃度ならびに菌体密度など)を分離および規定することが可能である。連続式培養の際は、新鮮培地が培養物に一定速で添加され、菌体および培地が、一定の培養容量が維持される速度で除去される。連続式培養は、条件に依存性である場合では、莢膜多糖の生産に好ましいものであった(参考文献8)。]
[0005] B群連鎖球菌属(GBS、S.agalactiae)では、菌体増殖速度が莢膜多糖の生産が調節される主要な要素であると報告された。さらに、III型莢膜多糖の生成は、増殖制限栄養素とは独立して起こり得ることが示された。菌体を高速(0.8、1.4または1.6時間)の質量倍加時間(td)で保持した方が、低速の場合(td=2.6または11時間)よりも高い比収率(約90mg/gCDW)が得られた(参考文献8〜10)。しかしながら、連続式培養は、菌株の安定性の問題および汚染を有する傾向にあり、培地と栄養素を連続的に供給するため、いくぶん費用がかかる。したがって、上記の連続式培養に伴う問題を解決するため、莢膜多糖の高収率生産のための連続式培養の代替法を見い出すことが必要である。]
[0006] 連続式培養の問題点を解決するためのアプローチの一例は、WO2007/052168に例示されている。cp生産に都合のよい栄養環境および増殖速度を維持するための複雑なフィードバッチ式発酵プロセスが開発された。このプロセスは、バッチ手法の利点と連続式手法の利点を併せ持ち、指数増殖期の長期化および発酵時の基質添加を制御する条件のため、高い菌体密度がもたらされる。しかしながら、この複雑なフィードバッチ式手法では、発酵を管理するための複雑なアルゴリズムを伴うソフトウェアを使用する。さらに、臨床試験をサポートするための物質を作製するためには、医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準(Good Manufacturing Practices)に準拠したロバストで費用効果の高い生産プロセスが必要である。したがって、大規模生産用のフィードバッチ式発酵プロセスを単純化することが差し迫って必要である。]
[0007] 発酵プロトコルの単純化の必要性に加え、発酵後の莢膜多糖の大規模生産に使用され得る単純化された精製プロトコルが必要である。WO2007/052168に例示されたアプローチは、抽出、アルコール沈殿、ダイアフィルトレーション、カチオン系デタージェント処理および再可溶化を含む、WO2006/082527に開示された方法に基づいたものである。この手順は非常に効率的であり、典型的にはおよそ80%純粋な莢膜多糖の調製がもたらされる。しかしながら、カチオン系デタージェント処理工程で莢膜多糖を沈殿させる。その後の上清みからの沈殿物の分離(例えば、遠心分離による)および再可溶化は困難であり、莢膜多糖のロスが生じることがあり得、それにより収率が低下し得る。また、カチオン系デタージェント処理の効率は莢膜多糖の初期純度に依存し得る。莢膜多糖の初期純度が低いほど、カチオン系デタージェント処理の効率は低くなり得、さらに収率が制限される。したがって、精製工程の複雑さおよび/または費用が少なくて高純度レベルがもたらされる単純化された精製手順が必要である。また、多糖がどのような初期純度であっても良好な収率の莢膜多糖が得られる精製手順が必要である。]
課題を解決するための手段

[0008] 開示する実施形態の概要
本発明者らは、製造規模で連鎖球菌属から莢膜多糖(cp)を生産するための方法を提供することにより、発酵プロトコルの単純化のための必要性を満たした。一部の特定の実施形態において、炭素源の線形添加時のpH平衡化のためのアルゴリズムが排除され、他の実施形態では、培地の不必要な成分が除外された。連鎖球菌属の好ましい種はStreptococcus agalactiaeであり、これは、ランスフィールドのB群連鎖球菌属またはGBS、特に、菌株090、H36b、CBJ111、もしくはM781とも称される。]
[0009] 一態様により、cpを発現する連鎖球菌属菌株の播種材料を提供する。一実施形態において、播種材料の光学密度(OD)は、好ましくは0.6〜1.8であり、これは、播種材料の対数増殖中期である。報告するOD値は590nmにおいて測定したものであるが、ODは、所与の実験の吸光度波長に基づいて変換され得る。]
[0010] 別の態様により、発酵による連鎖球菌属菌株の培養方法を提供する。一実施形態において、培養時の培養培地のpHは6.0〜7.5、好ましくは約7.3である。別の実施形態において、培養時の培養培地の温度は34〜38℃、好ましくは約36℃である。]
[0011] 別の態様により、酵母抽出物の2回の即時添加後、炭素源の線形添加を含む、連鎖球菌属菌株の培養方法を提供する。線形添加に好ましい炭素源はグルコースである。各添加は、細菌増殖速度を調節することによってcpの高容積生産が達成されるように、および最大の血清型特異的cpが生産されるよう微生物を適応させるために選択された指定ODレベルで開始される。]
[0012] 一実施形態において、酵母抽出物の第1の即時添加は、2.8〜3.2、好ましくは約3.0のODレベルで開始される。別の実施形態において、酵母抽出物の第2の即時添加は、4.3〜4.7、好ましくは約4.5のODレベルで開始される。別の実施形態において、炭素源の線形添加は、9.8〜10.0、好ましくは約10のODレベルで開始される。]
[0013] 全般的に、アルゴリズムなしでの炭素源の線形添加は、培養培地のpHをモニタリングすることにより培養を制御するためアルゴリズムを使用する以前の複雑なフィードバッチ式発酵プロセスと比べた改善点である。]
[0014] 別の態様により、規定培地または複合培地を含む培養培地を提供する。規定培地は、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む。ビタミン源は、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない。]
[0015] 複合培地は、複合抽出物(好ましくは酵母抽出物)、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む。ビタミン源は、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない(すなわち、5種類のうち4種類は培地に含まれるが、5種類目は、複合抽出物の天然成分として添加されない(otherthat))。好ましい実施形態において、ビタミン源は3種類以下、2種類以下、またはビオチンのみを有する。]
[0016] さらに、本発明は、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源で構成された規定培地である培養培地を含む組成物を提供する。この場合もまた、好ましい連鎖球菌属菌株はStreptococcus agalactiae、特に、菌株090、H36b、CBJ111、またはM781である。一実施形態において、リン酸源は、K2HPO4、KH2PO4、Na2HPO4・H2O、NaH2PO4・H2O、またはNaClからなる。一実施形態において、好ましい炭素源はグルコースである。]
[0017] 別の実施形態において、ビタミン源は、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない。]
[0018] 別の実施形態では、ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの5種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない。]
[0019] 別の実施形態では、ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの4種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない。]
[0020] 別の実施形態では、ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの3種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない。]
[0021] 別の実施形態では、ビタミン源が、パントテン酸カルシウムとナイアシンアミドからなる。]
[0022] 別の実施形態において、アミノ酸源は、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの19種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない。]
[0023] 別の実施形態では、アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの18種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない。]
[0024] 別の実施形態では、アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの17種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない。]
[0025] 別の実施形態では、アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの16種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない。]
[0026] 別の実施形態では、アミノ酸源が、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンからなる。]
[0027] 別の態様により、複合抽出物(好ましくは酵母抽出物)、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源で構成された複合培地である培養培地を含む組成物を提供する。この場合もまた、好ましい連鎖球菌属菌株はStreptococcus agalactiae、特に、菌株090、H36b、CBJ111、またはM781である。]
[0028] 一実施形態において、ビタミン源は、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない。]
[0029] 別の実施形態では、ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される3種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない。]
[0030] 別の実施形態では、ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される2種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない。]
[0031] 別の実施形態では、ビタミン源がビオチンである。]
[0032] 前述の態様および実施形態は、互いに排他的であることを意図せず、互いに組み合わされ得、互いに排他的である範囲(to the extend)を除き、任意の他の態様または実施形態が本明細書において開示される。]
[0033] さらに、本発明は、付着性フィルターを用いた濾過工程を含む、典型的にはStreptococcus agalactiaeからの莢膜多糖の精製方法を提供する。付着性フィルターは、莢膜多糖中に存在し得る夾雑物(例えば、タンパク質および/または核酸)と結合するが、莢膜多糖が該フィルターを通過すること可能である。本発明者らは、莢膜多糖を精製するために、WO2007/052168およびWO2006/082527に記載のカチオン系デタージェント処理の代わりに、付着性フィルターが使用され得ることを見い出した。付着性フィルターの使用により、カチオン系デタージェントを適用する必要がなくなり、これは、該方法のこの段階において莢膜多糖の沈殿を行なわないことを意味する。これにより、上清みから沈殿物を分離する必要がなくなり、該方法が単純化され、この分離時に起こり得る莢膜多糖のロス(あれば)が抑制される。したがって、付着性フィルターの使用により、精製方法の収率が改善され得る。また、付着性フィルターの効率は、莢膜多糖の初期純度に対する依存性が低い。]
[0034] 当業者には、この方法における使用のための適当な付着性フィルターを特定することが可能である。典型的には、莢膜多糖中の主な夾雑物はタンパク質であり、したがって、付着性フィルターはタンパク質付着性フィルターである。本発明者らは、カーボンフィルターが特に適していることを見い出した。これは、典型的には活性炭(例えば、粒状炭素床として、または圧縮もしくは押出カーボンブラックとして)で構成されており、試料精製のためのフィルターとしての機能を果たす。]
[0035] 当業者には、適当なカーボンフィルター特定することが可能である。典型的には、本発明における使用のためのカーボンフィルターは、マトリックス内に固定化された活性炭を含むものである。マトリックスは、試料に対して透過性である任意の多孔質フィルター媒体であり得る。マトリックスは、支持体物質および/または結合体物質を含むものであってもよい。支持体物質は、合成ポリマーまたは天然起源のポリマーであり得る。好適な合成ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリアクリルアミドおよびポリメタクリル酸メチルが挙げられ得、一方、天然起源のポリマーとしては、セルロース、多糖類およびデキストラン、アガロースが挙げられ得る。典型的には、ポリマー支持体物質は、機械的剛性をもたらす繊維網目の形態である。結合体物質は樹脂であり得る。マトリックスは、膜シートの形態を有するものであってもよい。典型的には、マトリックス内に固定化された活性炭は、カートリッジの形態であり得る。カートリッジは、マトリックス内に固定化され、膜シートの形態に作製された粉末活性炭を内包する内蔵式の存在体である。膜シートは、プラスチックの透過性支持体内に保持され、ディスクを形成したものであってもよい。あるいはまた、膜シートをらせん状に巻き上げてもよい。フィルター表面積を大きくするため、いくつかのディスクを互いの上に積層してもよい。特に、互いの上に積層したディスクは、炭素処理された試料をフィルターから回収し、取り出すための中心コアパイプを有する。積層ディスクの構成は、半円筒形であってもよい。カーボンフィルター内の活性炭は、種々の原料、例えば、泥炭、亜炭、木材またはココナッツの殻に由来するものであり得る。当該技術分野で知られた任意の方法(水蒸気処理または化学的処理など)が炭素の活性化に使用され得る。本発明において、マトリックス内に固定化された活性炭をハウジング内に配置し、独立したフィルターユニットを形成してもよい。各フィルターユニットは、個々に精製対象試料の供給口および排出口を有する。本発明において使用され得るフィルターユニットの例は、Cuno Inc.(Meriden,USA)製またはPall Corporation(East Hill,USA)製の炭素カートリッジである。]
[0036] 特に、本発明者らは、CUNO zetacarbonTMフィルターが本発明における使用に適していることを見い出した。このカーボンフィルターは、活性炭粉末が内部に封入され、所定の位置で樹脂に結合されたセルロースマトリックスで構成されている。]
[0037] 本発明のこの態様の方法のための出発材料は、以下の「出発材料」という標題のセクションに記載の出発材料の1つであり得る。この方法には、さらに、以下の「アルコール沈殿およびカチオン交換」、「ダイアフィルトレーション」、「再−N−アセチル化」、「さらなるダイアフィルトレーション」、「コンジュゲートの作製」および/または「他の工程」という標題のセクションに記載の工程の1つ以上を含めてもよい。したがって、典型的な工程シーケンスは、i)「アルコール沈殿およびカチオン交換」という標題のセクションに記載の工程(1つまたは複数);ii)セクション「ダイアフィルトレーション」に記載の工程(1つまたは複数);iii)上記の付着性フィルターを用いた濾過工程;iv)「再−N−アセチル化」という標題のセクションに記載の工程(1つまたは複数);およびv)「さらなるダイアフィルトレーション」という標題のセクションに記載の工程(1つまたは複数)であり得る。次いで、このプロセスの後、「コンジュゲートの作製」という標題のセクションに記載の工程(1つまたは複数)を続けてもよい。最後に、このプロセスの後、「他の工程」という標題のセクションに記載の工程(1つまたは複数)を続けてもよい。]
[0038] 該方法には、さらに、以下の「カチオン系デタージェント処理」および「再可溶化」という標題のセクションに記載の工程の1つ以上を含めてもよいが、典型的には、これらの工程は、濾過が本発明の方法において付着性フィルターを用いて行なわれる場合、莢膜多糖を沈殿させるためのカチオン系デタージェント処理、およびその後の該多糖の再可溶化が一般的には必要とされないため、省略される。したがって、本発明では、具体的に、付着性フィルターを用いた濾過工程を含み、莢膜多糖を沈殿させるためのカチオン系デタージェント処理工程、その後の莢膜多糖の再可溶化工程を含まない、典型的にはStreptococcus agalactiaeからの莢膜多糖の精製方法が想定される。]
[0039] さらに、本発明はまた、製造規模での連鎖球菌属からの莢膜多糖(cp)の精製方法を提供する。連鎖球菌属の好ましい種はStreptococcus agalactiaeであり、これは、ランスフィールドのB群連鎖球菌属またはGBS、特に、菌株090、H36b、CBJ111、もしくはM781とも称される。]
[0040] 好ましい実施形態において、精製莢膜多糖の生産方法は、以下の工程:(a)莢膜多糖を含む粗製分離株を準備する工程;(b)該粗製分離株をアルコール溶液と接触させることによって形成されたアルコール沈殿物を取り出す工程;(c)莢膜多糖を保持したまま低分子量化合物を除去するために濾過する工程;および(d)タンパク質付着性フィルターを用いてタンパク質夾雑物を除去し、精製莢膜多糖を得る工程の1つ以上を含む。好ましい実施形態において、該方法は前述の工程のすべてを含む。より好ましい実施形態において、方法では、デタージェント沈殿が省略される。]
[0041] 一部の特定の実施形態において、1つ以上のさらなる工程、例えば、(e)精製莢膜多糖を再−N−アセチル化する工程、(f)精製莢膜多糖を沈殿させる工程;および/または(g)莢膜多糖を一成分として有するワクチンを製剤化する工程が行なわれ得る。]
[0042] 一部の特定の実施形態において、アルコール溶液は、核酸夾雑物を沈殿させるが莢膜多糖は沈殿させないのに充分な濃度まで添加される。好ましい実施形態において、アルコールはエタノールであり、好ましくは約10%〜約50%のエタノール濃度まで、より好ましくは約30%のエタノール濃度まで添加される。アルコール溶液は、任意選択でカチオン、好ましくは金属カチオン、より好ましくは二価カチオン、最も好ましくはカルシウムを含むものであり得る。]
[0043] 一部の特定の実施形態(embodiement)において、タンパク質付着性フィルターは活性炭フィルターである。]
図面の簡単な説明

[0044] 図1は、潜在的なGBSワクチン標的である莢膜多糖を示す。
図2は、莢膜多糖(cp)とGBSのB群炭水化物の結合の提案モデルの概略図である。
図3Aは、Ia型およびIb型に由来するGBSの血清型特異的cpの分子構造を示す。図3Bは、III型およびV型に由来するGBSの血清型特異的cp分子構造を示す。
図3Aは、Ia型およびIb型に由来するGBSの血清型特異的cpの分子構造を示す。図3Bは、III型およびV型に由来するGBSの血清型特異的cp分子構造を示す。
図4は、GBSに対する複合糖質ワクチンの作製プロセスを示す。
図5A〜Dは、(A)090菌株、(B)H36b菌株、(C)M781菌株、および(D)CJB111の増殖曲線および培地のpHを示す。0.1〜2.4の範囲のOD値を用いて比増殖速度を計算した。
図5A〜Dは、(A)090菌株、(B)H36b菌株、(C)M781菌株、および(D)CJB111の増殖曲線および培地のpHを示す。0.1〜2.4の範囲のOD値を用いて比増殖速度を計算した。
図5A〜Dは、(A)090菌株、(B)H36b菌株、(C)M781菌株、および(D)CJB111の増殖曲線および培地のpHを示す。0.1〜2.4の範囲のOD値を用いて比増殖速度を計算した。
図5A〜Dは、(A)090菌株、(B)H36b菌株、(C)M781菌株、および(D)CJB111の増殖曲線および培地のpHを示す。0.1〜2.4の範囲のOD値を用いて比増殖速度を計算した。
図6は、(A)090菌株の増殖曲線、(B)090菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、水酸化ナトリウムとメタノール中のビオチンと4種類のビタミン;リボフラビンなしの水中のビオチンと3種類のビタミン;ビオチンのみ;およびビタミンなしについて測定した。
図7は、(A)H36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、水酸化ナトリウムとメタノール中のビオチンと4種類のビタミン;リボフラビンなしの水中のビオチンと3種類のビタミン;およびビオチンのみについて測定した。
図8は、(A)M781菌株の増殖曲線、(B)M781菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、水酸化ナトリウムとメタノール中のビオチンと4種類のビタミン;リボフラビンなしの水中のビオチンと3種類のビタミン;およびビオチンのみについて測定した。
図9は、CJB111菌株の増殖曲線、CJB111菌株によるcp濃度、および乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、ビオチン単独について測定した。
図10は、(A)090菌株の増殖曲線、(B)090菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度はフィードバッチ手法;ODレベルが3と5の場合の酵母抽出物の即時添加後、グルコースの線形添加;およびバッチ用培地中への全酵母抽出物の添加後、グルコースの線形添加について測定した。
図11は、(A)H36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、フィードバッチ手法;ODレベルが3と5の場合の酵母抽出物の即時添加後、グルコースの線形添加;およびバッチ用培地中への全酵母抽出物の添加後、グルコースの線形添加について測定した。
図12は、(A)M781菌株の増殖曲線、(B)M781菌株によるcp濃度、および(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、フィードバッチ手法;ODレベルが3と5の場合の酵母抽出物の即時添加後、グルコースの線形添加;およびバッチ用培地中への全酵母抽出物の添加後、グルコースの線形添加について測定した。
図13は、CJB111菌株の増殖曲線、CJB111菌株によるcp濃度、および乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量を示し、ここで、増殖速度は、ODレベルが3と5の場合の酵母抽出物の即時添加後、グルコースの線形添加について測定した。
図14は、DOT試験の結果を示し、(A)15%、30%および60%におけるH36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量、ならびに(D)H36b菌株の平均生産性を示す。
図15は、温度試験の結果を示し、(A)34℃、36℃および38℃におけるH36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量、ならびに(D)H36b菌株の平均生産性を示す。
図16は、pH試験の結果を示し、(A)7.0、7.3および7.5におけるH36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量、ならびに(D)H36b菌株の平均生産性を示す。
図17は、圧力試験の結果を示し、(A)0.2および0.5バールにおけるH36b菌株の増殖曲線、(B)H36b菌株によるcp濃度、(C)乾燥菌体重量グラムあたりのcp生産量、ならびに(D)H36b菌株の平均生産性を示す。
図18は、(A)100mLの化学的に規定される培地(0.1mLのw.s.)を入れた500mL容三角フラスコ、および(B)2L容発酵槽におけるM781菌株の増殖曲線を示す。0.1〜0.7の範囲のOD値を用いて比増殖速度を計算した。
図19は、標準的なバッチ用培地;ビタミンの量の10倍;アミノ酸とビタミンの量の10倍;ならびにビタミン、アミノ酸およびカリウムの量の10倍について、プロットグラフとして、M781菌株の増殖曲線、棒グラフとして、グルコース消費量を示す。
図20は、規定培地でのGBSの菌株M781の増殖に対するアラニン、アスパラギン酸、グルタミンおよびプロリンの除外の効果を示す。
図21は、規定培地でのGBSの菌株M781の増殖に対するビオチン、葉酸、ピリドキシン、リボフラビンおよびチアミンの除外の効果を示す。
図22は、研究室規模での3種類の菌株、M781、H36bおよび090の第1の予備試験発酵操作のOD590nmプロフィールを示す。
図23は、単純化プロセスを用いた4種類の菌株、M781、H36b、090およびCJB111の第2の予備試験発酵操作のOD590nmプロフィールを示す。第1の単純化では、チアミン、リボフラビン、ピリドキシンHCl、およびナイアシンアミドをビタミン溶液から除去した。第2の単純化は、発酵時のフィード相のパラメータの変更とした。
図24は、4種類の菌株、M781、H36b、090、CJB111の試験発酵操作のOD590nmプロフィールを示す。
図25は、25℃において記録した精製GBS Ia型多糖の1HNMRスペクトルを示す。一部水素がスペクトル上で確認される。
図26は、25℃において記録した精製GBS Ib型多糖の1H NMRスペクトルを示す。一部水素がスペクトル上で確認される。
図27は、25℃において記録した精製GBS III型多糖の1H NMRスペクトルを示す。一部水素がスペクトル上で確認される。
図28は、25℃において記録した精製GBS V型多糖の1H NMRスペクトルを示す。一部水素がスペクトル上で確認される。
図29は、0.5μg/mLにおける多糖試料およびシアル酸標準(灰色線)の溶出プロフィールのオーバーレイを示す。
図30は、多糖試料およびラムノースを添加した多糖試料(灰色線)の溶出プロフィールのオーバーレイを示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0045] 好ましい実施形態の詳細な説明
本発明者らは、製造規模での高収率のcpが、任意の連鎖球菌属菌株でフィードバッチ式培養、すなわち、有限容量の新鮮培地中への菌体播種によって開始され、該菌体を培養した後、1回の回収によって終結され、付加的な栄養素は、最初の供給源の栄養素を消費させてから培養物に添加する培養を用いて得られ得ることを見い出した。かかる高収率は、連続式培養を用いて得られるものと同等であるか、またはより良好である。さらに、本明細書において開示した方法は、連続式培養の安定性と汚染の問題を有する傾向がない。さらに、本発明者らは、不純物が有意に改善されるとともに、プロトコルが単純で製造規模が廉価に維持される最適化精製プロトコルを開発した。]
[0046] 本開示により、連鎖球菌属を培養するためのプロセスであって、連鎖球菌属をフィードバッチ式培養で培養するプロセスを提供する。連鎖球菌属の一部の特定の菌株は、培養中に生産されるcpが典型的には低レベルであるため、cpの「不良産生菌株(bad producer)」であることが知られている。かかる不良産生菌株の例としては、GBS菌株DK21および2603が挙げられる。しかしながら、本明細書において開示した方法を使用すると、cpの生産レベルが低いことがわかっているかかる菌株からでさえも高レベルのcpが得られ得る。したがって、本発明は、「不良産生菌株」の場合、バッチ式または連続式培養条件下で、該菌株によって<30mg cp/gCDWまたは<10mg cp/gCDWが生産され得る、フィードバッチ式培養において連鎖球菌属を培養することを含む、連鎖球菌属菌株からのcp収率の増大方法を提供する。]
[0047] 好ましくは、本発明は、高収率のcpが生産されるフィードバッチ式培養での連鎖球菌属の培養方法を提供する。好ましくは、cpの収率は、不良産生菌株の場合では10mg/gCDW以上(好ましくは15、20、25、または30またはそれ以上)であり、他の菌株の場合では30mg/gCDW以上(好ましくは40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200またはそれ以上)である。好ましくは、培養培地からのcpの収率は、10mg/L以上(例えば、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300またはそれ以上)である。より好ましくは、培養培地からのcpの収率は50mg/L以上(例えば、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650またはそれ以上)である。したがって、本発明により、連続式培養と比べて単位容積あたりの収率がさらに高いcpの生産が可能となる。場合によっては、単位容積あたりの収率は、連続式培養を用いて生産される量の少なくとも2倍、より好ましくは連続式培養を用いて生産される量の2.5倍または3倍であり得る。]
[0048] また、本発明は、酵母抽出物の2回の即時添加後、炭素源の線形添加を含み、好ましくは、pHをモニタリングするためのアルゴリズムの使用を伴わない、発酵による連鎖球菌属菌株の培養方法を提供する。線形添加に好ましい炭素源はグルコースである。各添加は、細菌増殖速度を調節することによってcpの高容積生産が達成されるように、および最大の血清型特異的cpが生産されるよう微生物を適応させるために選択される指定ODレベルで開始される。]
[0049] 一実施形態において、酵母抽出物の第1の即時添加は、2.8〜3.2、好ましくは約3.0のODレベルで開始される。別の実施形態において、酵母抽出物の第2の即時添加は、4.3〜4.7、好ましくは約4.5のODレベルで開始される。別の実施形態において、炭素源の線形添加は、9.8〜10.0、好ましくは約10のODレベルで開始される。]
[0050] 全般的に、炭素源の線形添加は、培養培地のpHをモニタリングすることにより培養を制御するためアルゴリズムを使用する以前の複雑なフィードバッチ式発酵プロセスと比べた改善点である。]
[0051] 培養後、細菌に、cpを精製するため、およびこれを担体タンパク質にコンジュゲートするためのさらなる処理工程を行なってもよい。したがって、本発明は、さらに、細菌からcpを精製する工程、および莢膜糖を担体タンパク質にコンジュゲートしてタンパク質−糖コンジュゲートを得る工程(図1〜2参照)を含むものであってもよい。精製cpに、医薬調製物を調製するためのさらなる処理工程を行なってもよい。好ましい実施形態において、精製は、本明細書に開示した改善された精製プロトコルを用いて行なわれる。] 図1 図2
[0052] 連鎖球菌属
用語「連鎖球菌属」は、S.agalactiae(GBS)、S.pyogenes(GAS)、S.pneumoniae(pneumococcus)およびS.mutansから選択され得る細菌をいう。あるいはまた、連鎖球菌属は、S.thermophilusまたはS.lactisであってもよい。好ましくは、連鎖球菌属はGBSである。使用される連鎖球菌属がGBSである場合、好ましくは、選択される血清型は1a、1b、3、4または5である。好ましくは、使用されるGBS菌株は090(1a)、7357(1b)、H36b(1b)、DK21(2)、M781(3)、2603(5)、またはCJB111(5)である。図3A〜B参照。使用される連鎖球菌属がS.pneumoniaeである場合、好ましくは、選択される血清型は、4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fのうちの1種類以上または全部である。また、好ましくは血清型1が選択され得る。好ましくは、選択される血清型は、1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fの1種類以上または全部である。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 図19
[0053] さらに、本発明の方法を用いて培養物は均一であってもよく(すなわち、連鎖球菌属の単一の菌種または菌株からなる)、不均一であってもよい(すなわち、連鎖球菌属の2種類以上の菌種または菌株を含む)。好ましくは、培養物は均一である。]
[0054] 使用される連鎖球菌属は、野生型菌株であってもよく、遺伝的に修飾されたものであってもよい。例えば、これは、非天然の莢膜多糖もしくは異種多糖が生産されるように、または収率が増大するように修飾され得る。]
[0055] 生産プロセスの概要
GBSの生産は、4つの部:(1)各cpの発酵による生産とその一次回収;(2)精密濾過の透過物の精製;(3)乾燥精製cpの構築;および(4)複合糖質生体分子の特性評価に分けられ得る。]
[0056] 第1の工程は、パイロット規模の発酵ホールにおいて最適化され得、発酵によるバイオマスの生産、バイオマスの連続流遠心分離、ペレット(あるいは菌体ペースト)の回収、微生物の不活化とcpの放出、および回収透過物と菌体ペーストの最終の精密濾過からなる。発酵は、(1)播種材料の調製、(2)発酵、バイオマスの遠心分離、ペレットの化学的処理およびペレットの精密濾過(図4に表示)からなる。] 図4
[0057] 本発明は製造規模でのcpの作製方法を提供し、該方法は、cpを発現する連鎖球菌属菌株の播種材料を準備するための方法、該菌株を発酵によって培養するための方法を含む。該培養は、培養培地のpHをモニタリングすることにより培養を制御するアルゴリズムとは反対に、ODが指定の添加レベルに達したら、酵母抽出物の2回の即時添加後、培養培地への炭素源の線形添加が促されるような培養培地の光学密度(OD)のモニタリングからなる。]
[0058] 播種材料の培養
播種材料の培養は、121℃でオートクレーブを用いて滅菌した振盪フラスコ内で行なわれ得る。播種材料には、複合培地(酵母抽出物、Na2HPO4・2H2O、NaH2PO4・H2O、およびグルコース一水和物(中性pHおよそ7.3を有する)からなる)、ビタミン溶液(NaOH中に希釈したチアミン、リボフラビン、ピリドキシンHCl、およびナイアシンアミドからなる)、およびビオチン溶液が含まれる。好ましい実施形態において、ビタミン溶液は除外され、ビオチン溶液がビタミン補給物として使用される。]
[0059] 好ましい実施形態において、各フラスコには、2.75±0.25mLの作業種菌株が播種される。培養物は、およそ35℃で、およそ200rpmでの攪拌下、インキュベータ内におよそ4時間維持される。この期間後、バイオマス濃度を、590nmにおけるODを測定し、グラム染色を行なうことをことにより評価した。OD590nmの値がおよそ0.6〜1.8である場合、およびグラム染色によってグラム陽性球菌のみが得られる場合、フラスコの内容物を、発酵槽のインキュベーションラインに接続された熱滅菌したビン内にプールする。]
[0060] 播種材料の調製時、好ましい条件は以下のとおり:培地の初期pHは7.3±0.1であり、作業種菌株の容量は2.5〜3.0mL/フラスコであり、インキュベーション温度は35±1℃であり、攪拌速度は200±10rpmである。フラスコ内での培養終了時、好ましい最終OD590nmは0.6〜1.8であり、好ましいグラム染色では、グラム陽性球菌のみが得られる。プールしたビンにおいて、好ましい培養物純度は、夾雑物がないような純度である。最後に、好ましいインキュベーション時間は3〜5時間である。]
[0061] フィードバッチ式発酵プロセス
本発明は、フィードバッチ式プロセスを用いた製造規模での連鎖球菌属の改善された培養方法を提供する(図6〜18参照)。フィードバッチ式培養は、固定容量フィードバッチ式または可変容量フィードバッチ式のいずれかであり得る。固定容量フィードバッチ式培養では、限定的基質を、培養物を希釈することなく供給する(例えば、濃縮液もしくはガス状物を使用、または透析の使用による)。可変容量フィードバッチ式培養では、発酵期間において、基質供給量によって容量を変更する。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 図6
[0062] 300L容発酵槽内での発酵プロセス中、好ましい条件は以下のとおり:培養温度は36±1℃に設定、発酵槽内部の過圧はおよそ0.2バールに設定、pHは7.3±0.1に設定し、4M NaOHを用いて調整、初期攪拌は50rpmに設定、初期空気流は20L/分に設定、発酵槽内の起泡剤レベルは、可視的にモニタリングし、必要であれば消泡剤PPG2500を用いて調整、溶存酸素圧(tension)(DOT)は30%に設定し、攪拌(50〜350rpm)によってカスケード状に調節、空気の空気流(20〜100L/分、および酸素流(0〜100L/分)である。]
[0063] 本発明は、指定のODレベルでの2回の酵母抽出物の即時添加後、培養培地への炭素源の線形添加を提供する。試料は、播種後の2時間の発酵のバッチ相中に採取し、OD590nmを測定する。試料を15分ごとに、OD590nmが3に達するまで採取し、この時点で最初の即時バッチ添加を、150g/Lの酵母抽出物溶液を用いて開始する。最初の添加のおよそ45分後、OD590nmを再度測定する。試料を15分ごとに、OD590nmが5に達するまで採取し、この時点で、第2の即時バッチ添加を、150g/Lの酵母抽出物溶液を用いて開始する。OD590nmが10〜12に達したら、線形添加を開始する。この線形添加時では、試料を1時間ごとに採取し、OD590nmを測定する。線形添加をおよそ3時間持続させ、この時点で、パラメータの自動制御を停止する。攪拌は100rpmに、および温度は30℃に調節する。]
[0064] 培養培地
連鎖球菌属種の増殖の維持に適した任意の型の液状培養培地が使用され得る。好ましい培地としては、複合培地(コロンビア寒天培地(broth)、LB、Todd−Hewitt、OC培地、血液寒天培地またはブレインハートインフュージョンなど);半規定培地(MCDMなど);連鎖球菌属用の化学的に規定される培地(M1、MC、FMC(参考文献11)、またはC−48(参考文献12)など);ならびに必要な栄養要求性成分を含む真核生物細胞株の培養のために構成した培地(RPMI、スペント培地、マッコイ培地およびイーグル培地など)が挙げられる。典型的な培養培地には、酵母抽出物、ならびに増殖に不可欠な他の要素、例えば、脂質(リノール酸もしくはオレイン酸などの長鎖脂肪酸)、ステロイド類(コレステロールなど)、プリンおよびピリミジン、ミネラル類、ビタミン類ならびに増殖因子、アミノ酸(L−および/またはD−体)および/または化学元素もしくは無機イオン(Fe、K、Mg、Mn、Ca、Co、Cu、Pおよび/またはZnなど)が含まれる。培地の濃度を増大させることによって、より高いODが得られ得、cpの高容積生産がもたらされ得る。したがって、複合培地は、好ましくは、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含み、ビタミン源が、ビオチンと、任意選択でナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される1種類以上のビタミンとからなる。]
[0065] 化学的に規定される培地は、好ましくは、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含み、ビタミン源が、パントテン酸カルシウムと、ナイアシンアミドと、ビオチン、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される1種類以上のビタミンとからなる。]
[0066] 培養培地には、さらに、1種類以上の抗生物質および消泡剤を含めてもよい。典型的な抗生物質としては、カナマイシン、アンピシリンおよびテトラサイクリンが挙げられる。抗生物質は、抗生物質耐性遺伝子を含む特定の細菌を選択するため、および/またはグラム陽性細菌(例えば、連鎖球菌属)を選択するための選択圧力を加えるために使用され得る。したがって、これは、所望のcpを発現している細菌に対する選択圧力を維持するために使用され得る。例えば、抗生物質アズトレオナム(aztrianam)は、グラム陰性に対して有効であるが、グラム陽性細菌に対しては有効でない。消泡剤は当該技術分野で知られており、鉱油、医療用オイル、高配合ポリシロキサングリコールコポリマー、シリコーン化合物およびエマルジョン、オキシアルキル化化合物、鉱油/合成ブレンド、グリコール/エステルブレンドなどが挙げられ得る。]
[0067] また、培養物には、培養を向上させる種々の他の要素、例えば、脂質(リノール酸もしくはオレイン酸などの長鎖脂肪酸など)、ステロイド類(コレステロールなど)、プリンおよびピリミジン、ビタミンならびに増殖因子、アミノ酸(L−および/またはD−体)および/または化学元素もしくは無機イオン(Fe、K、Mg、Mn、Ca、Co、Cu、Pおよび/またはZnなど)の添加を含めてもよい。]
[0068] 培養培地が、動物から採取された添加物(ウシ血清アルブミンなど)を含む場合、これは、培地および最終的にcpへの夾雑を回避するため、感染性海綿状脳症のない供給源から採取されたものであるべきである。]
[0069] 炭素源
使用される炭素源の型は必須事項ではない。好ましくは、主な炭素源は、グルコース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン、デンプン、イヌリン、グリセロール、植物油(大豆油など)、炭化水素、アルコール(メタノールおよびエタノールなど)、有機酸(酢酸類など)からなる群より選択される。より好ましくは、炭素源は、グルコース、グリセロール、ラクトース、フルクトース、スクロースおよび大豆油から選択される。用語「グルコース」は、グルコースシロップ、すなわち、グルコースオリゴマーを含むグルコース組成物を包含する。炭素源は培養物に、固形物または液状物として添加され得る。好ましくは、炭素源は、細胞に対する浸透圧ストレス(これにより、過剰供給がもたらされることになり得る)が回避されるように制御する。これは、通常、発酵持続期間に必要とされる炭素源すべてを、初期バッチ式培養物に添加しないことにより行なわれる。また、炭素源は、培養制限および色素生成がもたらされ得る枯渇が回避されるように制御する(参考文献13)。]
[0070] 窒素源
使用される窒素源の型は必須事項ではない。好ましくは、窒素源は、尿素、水酸化アンモニウム、アンモニウム塩(硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウムおよび硝酸アンモニウムなど)、他の硝酸塩、アミノ酸(グルタミン酸類およびリシンなど)、酵母抽出物、酵母自己分解物、酵母窒素塩基、タンパク質水解産物(例えば限定されないが、ペプトン、カゼイン水解産物、例えば、トリプトンおよびカザミノ酸)、大豆ミール、Hy−Soy、トリプシンによる大豆ブロス、綿実粕、麦芽抽出物、コーンスティープリカーならびに糖蜜から選択される。より好ましくは、窒素源は、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムおよびリン酸アンモニウムから選択される。最も好ましくは、窒素源は水酸化アンモニウムである。窒素源としての水酸化アンモニウムの使用は、水酸化アンモニウムが、さらにpH調整剤としての機能を果たし得るという利点を有する。]
[0071] 硫酸アンモニウムおよび/またはリン酸アンモニウムを窒素源として使用する場合、微生物が必要とするイオウおよび/またはリンの少なくとも一部が満たされ得る。]
[0072] リン源
上記のように、リンを培養培地に添加してもよい。リンは、塩の形態であり得、特に、リン酸塩(上記のようなリン酸アンモニウムなど)またはポリリン酸塩として添加され得る。ポリリン酸塩が使用される場合、これは、ポリリン酸ナトリウムなどのリン酸ガラスの形態であり得る(参考文献14)。かかるリン酸ガラスは、その可溶性特性が、混合時に沈殿を生じないで栄養素濃縮培地が調製され得るようなものであるため、有用である。]
[0073] 他の可変量
培養温度は30〜45℃(例えば、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44℃に)維持される。好ましくは、該温度は約36℃である。したがって、一定の培養温度が維持されるのを確保するため、培養物の入った槽を加熱または冷却することが必要であり得る。該温度は、倍加時間(td)を制御するために使用され得、したがって、所与の培養プロセスでは、該温度は、異なる相(すなわち、バッチ相、フィードバッチ相および炭素供給相)において異なり得る。]
[0074] 培養物の酸素供給量は制御され得る。酸素は、空気、富化酸素、純酸素またはその任意の組み合わせとして供給され得る。酸素濃度のモニタリング方法は当該技術分野で知られている。酸素は、特定の供給速度で送達してもよく、または培養物の溶存酸素含有量を測定し、一定の溶存酸素含有量を維持することを意図して相応して供給することにより必要時に送達してもよい。]
[0075] また、攪拌または曝気の速度も制御され得る。これにより、栄養素と酸素が、培養物の入ったバイオリアクター全体に行き渡ることが確保される。栄養素溶液と個々の細胞との相対速度は、0.5m/秒前後(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0秒)でもよい。]
[0076] 上記のように、培養物のpHは、酸またはアルカリの添加によって制御され得る。pHは、典型的には培養中に低下するため、好ましくはアルカリが添加される。適当なアルカリの例としては、NaOHおよびNH4OHが挙げられる。]
[0077] このような可変量をすべて、コンピュータ、コンピュータ補助デバイスまたは上記のような制御アルゴリズムによって制御してもよい。このような可変量の変更は、培養物の倍加時間を制御するために使用され得る。]
[0078] 多糖の調製
細菌からの莢膜糖の調製方法は、当該技術分野でよく知られており、例えば、参考文献15、16、17などを参照のこと。GBSの場合では、以下の方法が使用され得る(参考文献18も参照のこと)。特に、本発明の莢膜多糖の精製方法が使用され得る。上記のように、このような本発明の方法には、以下の工程の1つ以上が含まれ得る。]
[0079] 出発材料
一般的に、細菌の培養中に培養培地中に放出される莢膜多糖は少量であり、したがって、出発材料は、遠心分離した細菌培養物由来の上清みであり得る。しかしながら、より典型的には、出発材料は、莢膜をもつ細菌自体(または細菌ペプチドグリカンを含有する物質)を、莢膜糖が放出されるように処理することによって調製される。cpは細菌から種々の方法によって、例えば、化学的、物理的または酵素的処理によって放出され得る。したがって、多糖の水性調製物を、最初のタンパク質/核酸沈殿反応の前に処理してもよい。]
[0080] 典型的な化学的処理は塩基抽出であり(参考文献19)(例えば、水酸化ナトリウムを使用)、これにより、莢膜糖とペプチドグリカン主鎖間のホスホジエステル結合が切断され得る。しかしながら、塩基処理により莢膜糖が脱−N−アセチル化されるため、後に、再−N−アセチル化が必要であり得る。]
[0081] 典型的な酵素的処理は、ムタノリジンとβ−N−アセチルグルコサミニダーゼ(参考文献20)の両方の使用を伴うものである。これらは、細菌ペプチドグリカンに対して作用し、本発明での使用のための莢膜糖を放出させるだけでなく、群特異的炭水化物抗原の放出ももたらす。択一的な酵素的処理は、II型ホスホジエステラーゼ(PDE2)での処理を伴うものである。PDE2酵素により、水酸化ナトリウム(上記参照)の場合と同じリン酸基が切断され得、群特異的炭水化物抗原が切断されることなく、莢膜糖が脱−N−アセチル化されることなく莢膜糖が放出され得、それにより、下流の工程が単純化される。したがって、PDE2酵素は、莢膜糖の調製に好ましい選択肢である。]
[0082] 本発明のプロセスに好ましい出発材料は、脱−N−アセチル化莢膜多糖であり、これは、US 6248570(参考文献19)に記載の塩基抽出によって得られ得る。別の好ましい出発材料は、連鎖球菌属のPDE2処理生成物である。かかる材料を、後述する沈殿の前に濃縮(例えば、限外濾過)に供してもよい。]
[0083] 出発材料は、後述するように、夾雑タンパク質および/または核酸のアルコール沈殿に供され得る。]
[0084] アルコール沈殿およびカチオン交換
培養後に得られた連鎖球菌属莢膜糖は、一般的に純粋ではなく、細菌の核酸とタンパク質が夾雑している。このような夾雑物は、逐次、RNアーゼ、DNアーゼおよびプロテアーゼで一晩処理することによって除去され得る。しかしながら、好ましい択一例として、このような夾雑物を酵素的に除去するのではなく、アルコール沈殿が使用され得る。必要であれば(例えば、塩基抽出後)、該物質を、通常、沈殿の前に中和する。]
[0085] 夾雑核酸および/またはタンパク質の沈殿に使用されるアルコールは、好ましくは低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチル−プロパン−1−オール、2−メチル−プロパン−2−オール、ジオールなどである。適切なアルコールの選択は、過度な負担なく経験的に試験され得るが、フェノールなどのアルコールよりも、エタノールおよびイソプロパノール(プロパン−2−オール)などのアルコールが好ましい。]
[0086] アルコールは多糖懸濁液に、好ましくは、最終アルコール濃度が10%〜50%(例えば、30%前後)となるように添加される。最も有用な濃度は、多糖が同時に沈殿されることなく夾雑物の充分な沈殿が達成される濃度である。至適最終アルコール濃度は、多糖が得られた細菌血清型に依存し得るが、過度な負担なく常套的な実験によって決定することができる。エタノール濃度>50%のとき、多糖の沈殿が観察された。]
[0087] アルコールは、純粋な形態で添加してもよく、混和性の溶媒(例えば、水)で希釈した形態で添加してもよい。好ましい溶媒混合物はエタノール:水混合物であり、好ましい比率は、70:30前後および95:5前後(例えば、75:25、80:20、85:15、90:10)である。]
[0088] また、該糖を水性金属カチオンで処理してもよい。一価および二価の金属カチオンが好ましく、錯体形成により効率的であるため、二価カチオン(例えば、Mg、Mn、Caなど)が特に好ましい。カルシウムイオンは特に有用であり、そのため、アルコール混合物は、好ましくは可溶性カルシウムイオンを含むものである。これは、糖/アルコール混合物にカルシウム塩の形態で添加され得、固形または水性形態のいずれかとして添加され得る。カルシウムイオンは、好ましくは、塩化カルシウムの使用によって供給される。]
[0089] カルシウムイオンは、好ましくは、10〜500mM(例えば、約0.1M)の終濃度で存在させる。至適最終Ca濃度は、連鎖球菌属菌株および多糖が得られた血清型に依存し得るが、過度な負担なく常套的な実験によって決定することができる。]
[0090] 夾雑タンパク質および/または核酸のアルコール沈殿後、莢膜多糖は溶液中に残存する。沈殿物質は多糖から、遠心分離などの任意の適当な手段によって分離され得る。上清みは、後の工程でフィルターを詰まらせ得る粒子(例えば、0.22μmより大きい直径を有する沈殿粒子)を除去するために、精密濾過、特にデッドエンド濾過(垂直型濾過)に供され得る。デッドエンド濾過の択一例として、、タンジェンシャル精密濾過が使用され得る。例えば、0.2μmのセルロース膜を用いたタンジェンシャル精密濾過が使用され得る。タンジェンシャル精密濾過工程の後、典型的には、0.45/0.2μmフィルターを用いた濾過が行なわれる。]
[0091] ダイアフィルトレーション
ダイアフィルトレーション工程が使用されてもよい。例えば、該方法が、上記のアルコール沈殿およびカチオン交換を含む場合、この工程は、タンパク質および/または核酸の沈殿後に行なわれ得る。同様に、該方法が、後述するカチオン系デタージェント処理工程を含む場合、このダイアフィルトレーション工程は、デタージェント媒介性沈殿の前に行なわれ得る。付着性フィルターを用いた濾過(例えば、タンパク質付着性フィルターによる濾過)を含む本発明の方法では、このダイアフィルトレーション工程は、該濾過の前に行なわれ得る。典型的には、ダイアフィルトレーション工程は、タンパク質および/または核酸の沈殿の後であって、デタージェント媒介性沈殿または付着性フィルター(例えば、タンパク質付着性フィルター)を用いた濾過の前に使用される。]
[0092] ダイアフィルトレーション工程は、塩基抽出またはホスホジエステラーゼが莢膜糖の放出に使用された場合、群特異的糖もまた加水分解され、元の莢膜糖よりもずっと小さな断片が得られるため、特に好都合である。このような小断片は、ダイアフィルトレーション工程によって取り出され得る。]
[0093] タンジェンシャルフローダイアフィルトレーションが典型的である。したがって、濾過膜は、群特異的抗原の水解産物の通過は可能であるが、莢膜多糖は保持するものであるのがよい。10kDa〜30kDaの範囲のカットオフが典型的である。群特異的抗原の加水分解断片は、一般的に1kDa前後(5量体、8量体および11量体の糖)であるため、小さいカットオフサイズを使用するのがよいが、大きなカットオフは、莢膜糖のロスをもたらすことなく、他の夾雑物の除去を可能にするのに好都合である。]
[0094] 通常、少なくとも5サイクル、例えば、6、7、8、9、10、11回以上のタンジェンシャルフローダイアフィルトレーションが行なわれる。典型的には、2サイクルのタンジェンシャルフローダイアフィルトレーションが行なわれる。最初のサイクルと2回目のサイクルの間に、最初のダイアフィルトレーションサイクルの保持液を、酢酸/酢酸ナトリウム溶液で処理してもよい。得られた懸濁液を、例えば、0.45μmフィルターを用いて濾過し、沈殿物を除去してもよい。またこの懸濁液を、あるいはさらに、0.2μmフィルターを用いて濾過してもよい。]
[0095] ダイアフィルトレーションの後に、0.45/0.2μmフィルターを用いたさらなる濾過を行なってもよい。]
[0096] カチオン系デタージェント処理
可溶性多糖を沈殿させるための多くの手法が当該技術分野で知られている。該糖は、任意選択で、1種類以上のカチオン系デタージェントを用いて沈殿させてもよいが、精製の好ましい実施形態では、タージェント沈殿を除外する。莢膜糖と群特異的糖の混合物をカチオン系デタージェントで処理すると、莢膜糖の優先的な沈殿がもたらされ、それにより、群特異的糖による夾雑が好都合かつ簡便に最小化される。]
[0097] 本発明のプロセスにおける使用のための特に好ましいデタージェントは、テトラブチルアンモニア塩およびセチルトリメチルアンモニア塩(例えば、臭化物塩)である。臭化セチルトリメチルアンモニア(CTAB)は特に好ましい(参考文献21)。CTABはまた、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニア、臭化セトリモニウム、CetavlonおよびCentimideとしても知られている。他のデタージェントとしては、臭化ヘキサジメトリンおよびミリスチルトリメチルアンモニア塩が挙げられる。]
[0098] デタージェント媒介性沈殿工程は、好ましくは莢膜多糖に対して選択的である。]
[0099] 好都合には、任意選択のデタージェント沈殿は、CTABなどの、糖内のシアル酸残基と例えばシアル酸のカルボキシル基によって相互作用するデタージェントを使用するものであるのがよい。したがって、デタージェントにより、混合集団中のシアル酸含有莢膜糖、特に長鎖の糖が優先的に沈殿され、したがって、抗原として重要なシアル酸が先の処理工程で損傷されているかもしれない糖による夾雑が最小化される。]
[0100] 再可溶化
任意選択のデタージェント沈殿工程が使用される場合、多糖(典型的には、カチオン系デタージェントとの複合体の形態)は、水性媒体またはアルコール系媒体のいずれかに再可溶化され得る。水性再可溶化では、沈殿物中のCTA−カチオンが、一般的に、金属カチオンで置き換えられ、アルコール系再可溶化では、CTA−カチオンは一般的に保持される。水性またはアルコール系の再可溶化の選択は、GBS多糖が得られた血清型およびこの段階でなお存在する夾雑物(あれば)に依存し得る。例えば、場合によっては沈殿ペレット中に色素が存在し、これは、アルコール系再可溶化の後、炭素濾過によって有効に除去され得る。]
[0101] 再可溶化のための典型的な水性媒体は金属カチオンを含むものである。一価および二価の金属カチオンが好ましく、二価カチオン(例えば、Mn、Caなど)が特に好ましい。カルシウムイオンは特に有用であり、そのため、再可溶化は、好ましくは、塩化カルシウムの使用によって供給されるCaを使用するものである。10〜500mM(例えば、約0.1M)のCa濃度が好ましい。至適最終Ca濃度は、連鎖球菌属多糖が得られた血清型に依存し得るが、過度な負担なく常套的な実験によって決定することができる。]
[0102] 再可溶化のための典型的なアルコール系媒体は、エタノール系のものである。核酸および/またはタンパク質の沈殿に使用されるものと同じアルコールが使用され得るが、莢膜糖の沈殿に必要とされる濃度の方が一般的に高く、例えば、アルコールは、好ましくは、最終アルコール濃度が70%〜95%(例えば、およそ70%、75%、80%、85%、90%または95%)となるように添加される。至適最終アルコール濃度は、連鎖球菌属多糖が得られた血清型に依存し得る。高いアルコール濃度を得るためには、水分含有量の少ないアルコール(例えば、96%エタノール)を添加することが好ましい。]
[0103] 再可溶化は、典型的には室温で行なう。好ましくは、酸性条件を回避し、再可溶化は、典型的には約pH7で行なう。]
[0104] 再可溶化された物質は、沈殿前の懸濁液と比べて高度に精製されたものである。]
[0105] 該糖の調製のための好ましい方法の一例は、多糖の沈殿後、上記の低級アルコールを用いた沈殿多糖の可溶化を伴うものである。再可溶化後、夾雑物を除去するために、多糖をさらに処理してもよい。]
[0106] これは、夾雑が微量であっても許容され得ない(例えば、ヒト用ワクチン作製用)状況では、特に重要である。これは、典型的には、1つ以上の濾過工程を伴い、例えば、デプス濾過、活性炭による濾過が使用され得る(サイズ濾過および/または限外濾過)。濾過して夾雑物を除去したら、多糖を、さらなる処理および/または加工処理のために沈殿させ得る。これは、カチオン交換(例えば、カルシウム塩またはナトリウム塩の添加)によって簡便に行なわれ得る。]
[0107] 付着性フィルターを用いた濾過
好ましい実施形態において、莢膜多糖の精製は、さらに、タンパク質および/またはDNA夾雑物を、タンパク質および/またはDNAは付着するが、莢膜多糖は付着しないか、もしくはわずかに弱く付着するフィルター(例えば、タンパク質付着性フィルター)を用いた濾過によって除去する工程を含む。かかるフィルターの好ましい例は、カーボンフィルターである。好適な付着性フィルターは上記のものである。]
[0108] 付着性フィルターを用いた濾過の後、0.45/0.2μmフィルターを用いたさらなる濾過を行なってもよい。]
[0109] 再−N−アセチル化
再−N−アセチル化工程は、例えば、付着性フィルターを用いた濾過工程後、または実施する場合は、さらなる濾過工程後に行なわれ得る。再−N−アセチル化は、GBS莢膜糖内のシアル酸残基が、例えば上記の塩基処理中に脱−N−アセチル化された場合、好都合であり得る。再−N−アセチル化の制御は、例えば、無水酢酸(CH3CO)2Oを含む5%重炭酸アンモニウムなどの試薬を用いて簡便に行なわれ得る[Wesselsら(1989)Infect Immun 57:1089−94]。]
[0110] さらなるダイアフィルトレーション
さらなるダイアフィルトレーション工程は、例えば、再−N−アセチル化後に行なわれ得る。ダイアフィルトレーションは、「ダイアフィルトレーション」という標題のセクションにおいて上記のようにして行なわれ得る。]
[0111] ダイアフィルトレーションの後、0.45/0.2μmフィルターを用いたさらなる濾過を行なってもよい。]
[0112] 最終物質
多糖は、好ましくは最終的に、コンジュゲーションの準備ができた乾燥粉末として調製される。]
[0113] コンジュゲートの作製
細菌の培養および莢膜多糖の調製後、該糖を担体タンパク質(1つまたは複数)にコンジュゲートさせる。一般に、担体との糖の共有結合性コンジュゲーションにより、糖がT非依存性抗原からT依存性抗原に変換され、したがって免疫記憶のための初期抗原刺激が可能になるため、糖の免疫原性が増強される。コンジュゲーションは、小児用ワクチンに特に有用であり(例えば、参考文献22)、よく知られた手法である(例えば、参考文献23〜31に概説)。]
[0114] 好ましい担体タンパク質は、ジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイドなどの細菌の毒素またはトキソイドである。ジフテリア毒素のCRM197変異型(参考文献32〜34)は、そのままでジフテリアトキソイドであるため、特に好ましい担体である。他の好適な担体タンパク質としては、N meningitidisの外側膜タンパク質(参考文献35)、合成ペプチド(参考文献36,37)、熱ショックタンパク質(参考文献38,39)、百日咳タンパク質(参考文献40,41)、サイトカイン(参考文献42)、リンホカイン(参考文献42)、ホルモン類(参考文献42)、増殖因子(参考文献42)、種々の病原体由来抗原に由来する多くのヒトCD4 T細胞エピトープを含む人工タンパク質(参考文献43)、例えば、N19(参考文献44)、H.influenzae由来のプロテインD(参考文献45,46)、肺炎球菌の表面タンパク質PspA(参考文献47)、ニューモリシン(参考文献48)、鉄取り込みタンパク質(参考文献49)、C.difficile由来のトキシンAまたはB(参考文献50)、GBSタンパク質(下記参照)(参考文献51)などが挙げられる。担体との結合は、好ましくは、例えば、担体タンパク質のリシン残基またはアルギニン残基の側鎖内の−NH2基によるものである。糖が遊離アルデヒド基を有する場合、これは担体内のアミンと反応し、還元的アミノ化によってコンジュゲートを形成し得る。かかるコンジュゲートは、糖内の酸化ガラクトース(アルデヒドが形成される)と、担体またはリンカー内のアミンが関与する還元的アミノ化を用いて作出され得る。また、結合は、例えば、システイン残基の側鎖内の−SH基によるものであり得る。]
[0115] 例えば、担体抑制のリスクを低減するために、1つより多くの担体タンパク質を使用することが可能である。したがって、異なる担体タンパク質が異なる連鎖球菌属菌株または血清型に対して使用され得、例えば、GBS血清Ia型の糖をCRM197にコンジュゲートさせ得、一方、血清Ib型の糖は、破傷風トキソイドにコンジュゲートさせ得る。また、1つより多くの担体タンパク質を特定の糖抗原に対して使用することも可能であり、例えば、血清型IIIの糖を2つの群に分け、一部をCRM197にコンジュゲートさせ、他の一部を破傷風トキソイドにコンジュゲートさせてもよい。しかしながら、一般には、すべての糖に対して同じ担体タンパク質を使用することが好ましい。]
[0116] 単一の担体タンパク質が1つより多くの糖抗原を有していてもよい(参考文献52、53)。例えば、単一の担体タンパク質が血清Ia型およびIb型の糖にコンジュゲートされ得る。この目的を達成するため、コンジュゲーション反応前に、異なる糖が混合され得る。しかしながら、一般には、各血清群が別々のコンジュゲートを有し、異なる糖は、コンジュゲーション後に混合されることが好ましい。該別々のコンジュゲートは、同じ担体のものであってもよい。]
[0117] タンパク質過剰(例えば、1:5)〜糖過剰(例えば、5:1)の糖:タンパク質比(w/w)を有するコンジュゲートが好ましい。1:2〜5:1の比が好ましい(ire preferred)(1:1.25〜1:2.5の比)。また、1:1〜4:1の比も好ましい。糖鎖が長い場合、糖を重量過剰とするのが典型的である。一般に、本発明は、担体に連結された連鎖球菌属、好ましくはS.agalactiaeの莢膜糖部分を含み、糖:担体の重量比が少なくとも2:1であるコンジュゲートを提供する。]
[0118] 組成物に含まれる遊離担体は少量であるのがよい。所与の担体タンパク質が、本発明の組成物中に遊離形態とコンジュゲート形態の両方で存在する場合、非コンジュゲート形態は、組成物全体において、好ましくは担体タンパク質の総量の5%以下であり、より好ましくは2重量%未満で存在する。]
[0119] 任意の適当なコンジュゲーション反応が、必要な場合は任意の適当なリンカーとともに使用され得る。]
[0120] 糖は、典型的には、コンジュゲーション前に活性化または官能性付与される。活性化は、例えば、CDAP(例えば、1.−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(参考文献54、55など))などのシアニル化試薬を伴うものであり得る。他の適当な手法は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p−ニトロ安息香酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、S−NHS、EDC、およびTSTUを使用するものである(参考文献29の序論も参照のこと)。]
[0121] リンカー基による連結は、任意の既知の手順、例えば、参考文献56および57に記載の手順を用いて行なわれ得る。結合の型の一例は、多糖の還元的アミノ化、得られたアミノ基とアジピン酸リンカー基の一端とのカップリング、次いで、タンパク質とアジピン酸リンカー基の他端とのカップリングを伴うものである(参考文献27、58、59)。他のリンカーとしては、B−プロピオンアミド(参考文献60)、ニトロフェニルエチルアミン(参考文献61)、ハロゲン化ハロアシル(参考文献62)、グリコシド結合(参考文献63)、6−アミノカプロン酸(参考文献64)、ADH(参考文献65)、C4〜C12部分(参考文献66)などが挙げられる。リンカーの使用の択一例として、直接結合が使用され得る。タンパク質との直接結合は、多糖の酸化、続いてタンパク質との還元的アミノ化(例えば、参考文献67および68に記載)を含み得る。]
[0122] 糖内へのアミノ基の導入(例えば、末端の=O基を−NH2で置き換えることにより)、続いてアジピン酸ジエステル(例えば、アジピン酸N−ヒドロキシスクシンイミドジエステル)での誘導体化および担体タンパク質との反応を伴うプロセスが好ましい。別の好ましい反応は、プロテインD担体でのCDAP活性化を使用するものである。]
[0123] :コンジュゲーション後、遊離糖とコンジュゲート糖は分離され得る。適当な方法が多数あり、疎水性クロマトグラフィー、タンジェンシャル限外濾過、ダイアフィルトレーションなどが挙げられる(参考文献69および70なども参照のこと)。]
[0124] 本発明の組成物が解重合オリゴ糖を含む場合、解重合はコンジュゲーションの前に行なう、例えば、糖の活性化の前であることが好ましい。]
[0125] 好ましいコンジュゲーション法の一例では、糖をアジピン酸ジヒドラジドと反応させる。血清群Aでは、この段階でカルボジイミドも添加してもよい。反応期間後、ナトリウムシアノボロヒドリドを添加する。次いで、誘導体化された糖が、例えば限外濾過によって調製され得る。]
[0126] 次いで、誘導体化された糖を担体タンパク質(例えば、ジフテリアトキソイド)と混合し、カルボジイミドを添加する。反応期間後、コンジュゲートが回収され得る。]
[0127] 他の工程
上記の工程を含めるとともに、本発明の方法に、さらに、さらなる工程を含めてもよい。例えば、該方法は、莢膜糖を細菌から調製した後であってコンジュゲーションの前に、莢膜糖の解重合工程を含むものであり得る。解重合によって糖の鎖長が短くなり、GBSには良好でない場合があり得る。連鎖球菌属、特にGBSでは、糖が長鎖であるほど、短鎖のものより免疫原性が大きくなる傾向にある(参考文献71)。]
[0128] コンジュゲーション後、非コンジュゲート担体タンパク質のレベルが測定され得る。この測定を行なう方法の一例は、キャピラリー電気泳動(参考文献72)(例えば、遊離溶液中)、またはミセル動電クロマトグラフィー(参考文献73)を伴うものである。]
[0129] コンジュゲーション後、非コンジュゲート糖のレベルが測定され得る。この測定を行なう方法の一例は、HPAEC−PAD(参考文献69)を伴うものである。]
[0130] コンジュゲーション後、コンジュゲート糖を非コンジュゲート糖から分離する工程が使用され得る。これらの糖を分離する方法の一例は、一方の成分を選択的に沈殿させる方法の使用である。例えば、デオキシコール酸塩処理によって非コンジュゲート糖を溶液中に残存させるコンジュゲート糖の選択的沈殿が好ましい(参考文献69)。]
[0131] コンジュゲーション後、コンジュゲートの分子サイズおよび/またはモル質量を測定する工程が行なわれ得る。特に、分布が測定され得る。このような測定を行なう方法の一例は、サイズ排除クロマトグラフィーとともに多角度光散乱測光法および示差屈折率測定法による検出(SEC−MALS/RI)(参考文献74)を伴うものである。]
[0132] コンジュゲートの組み合わせ
任意の肺炎球菌血清群について、個々のコンジュゲートは上記のようにして調製され得る。]
[0133] 好ましくは、コンジュゲートは、血清群1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、および23Fのうちの1種類以上について調製する。次いで、多価混合物を得るために、個々のコンジュゲートを混合してもよい。]
[0134] また、選択した数のコンジュゲートを混合し、2価、3価、4価、5価、6価、7価または11価の混合物を得ることも可能である(例えば、1+3+4+5+6B+7F+9V+14+18C+19F+23F、4+6B+9V+14+18C+19F+23Fまたは1+4+6B+9V+14+18C+19F+23Fを混合など)。]
[0135] GBSでは、コンジュゲートは、好ましくは血清群Ia、IbまたはIIIのうちの1種類以上から調製する。]
[0136] コンジュゲートは、これらを個々に緩衝溶液に添加することにより混合され得る。好ましい溶液はリン酸緩衝生理食塩水(終濃度10mMのリン酸ナトリウム)である。最終混合物中の各コンジュゲートの好ましい濃度(糖として測定)は1〜20μg/ml、例えば5〜15μg/ml(8μg/ml前後など)である。任意選択のアルミニウム塩アジュバントは、この段階で添加され得る(例えば、最終Al3+濃度を0.4〜0.5mg/mlにするため)。]
[0137] 混合後、混合したコンジュゲートは滅菌濾過され得る。]
[0138] 医薬組成物
本発明の方法によって調製されたコンジュゲートを、薬学的に許容され得る担体と合わせてもよい。かかる担体としては、それ自体は、該組成物を受ける個体に対して有害な抗体生成を誘導しない任意の担体が挙げられる。好適な担体は、典型的には、大型のゆっくりと代謝される巨大分子、例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アミノ酸ポリマー、アミノ酸コポリマー、スクロース、トレハロース、ラクトース、および脂質凝集体(油滴またはリポソームなど)などである。かかる担体は当業者には充分わかる。また、ワクチンには、例えば、水、生理食塩水、グリセロールなどの希釈剤を含めてもよい。また、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などの補助物質を存在させてもよい。滅菌されたパイロジェンフリーのリン酸緩衝生理食塩水は典型的な担体である。薬学的に許容され得る賦形剤の詳細な論考は参考文献75において入手可能である。]
[0139] 該組成物には、特に、反復用量形式でパッケージングされる場合、抗菌剤が含まれ得る。]
[0140] 該組成物に、デタージェント、例えばTween(ポリソルベート)(TWEEN 80(TM)など)を含めてもよい。デタージェントは、一般的には低レベル(例えば、>0.01%)で存在する。]
[0141] 該組成物に、張度を付与するためのナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)を含めてもよい。10±2mg/mlの濃度のNaClが典型的である。]
[0142] 該組成物は、一般的にバッファーを含む。リン酸バッファーが典型的である。]
[0143] 該組成物には、特に、凍結乾燥される場合、または凍結乾燥物質から再構成された物質を含む場合、糖アルコール(例えば、マンニトール)または二糖(例えば、スクロースもしくはトレハロース)が、例えばおよそ15〜30mg/ml(例えば、25mg/ml)で含まれ得る。凍結乾燥用組成物のpHは、凍結乾燥前に6.1前後に調整され得る。]
[0144] コンジュゲートは、他の免疫調節剤とともに投与され得る。特に、該組成物は、通常、ワクチンアジュバントを含む。本発明の組成物に使用され得るアジュバントとしては、限定されないが、以下のものが挙げられる。]
[0145] A.ミネラル含有組成物
本発明におけるアジュバントとしての使用に適したミネラル含有組成物組成物としては、アルミニウム塩およびカルシウム塩(またはその混合物)などのミネラル塩が挙げられる。本発明は、ミネラル塩、例えば、水酸化物(例えば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシリン酸塩、オルトリン酸塩)、硫酸塩など(例えば、参考文献76の第8章および第9章参照)、または異なるミネラル化合物の混合物を含み、該化合物には、任意の適当な形態(例えば、ゲル、結晶性、アモルファスなど)が採用され、吸着が好ましい。また、ミネラル含有組成物を金属塩の粒子として構築してもよい(参考文献77)。]
[0146] リン酸アルミニウムは、特に、H.influenzae糖抗原を含む組成物において特に好ましく、典型的なアジュバントは、0.84〜0.92のPO4/A1モル比を有するアモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムである(0.6mg Al+3/mlで含む)。]
[0147] 低用量のリン酸アルミニウムとの吸着、例えば、50〜100μgのAl3+/コンジュゲート/用量が使用され得る。1つより多くのコンジュゲートが組成物中に存在する場合、すべてのコンジュゲートを吸着させる必要はない。]
[0148] カルシウム塩としては、リン酸カルシウム(例えば、参考文献258に開示された「CAP」粒子が挙げられる。アルミニウム塩としては、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられ、該塩には任意の適当な形態(例えば、ゲル、結晶性、アモルファスなど)が採用される。このような塩への吸着が好ましい。また、ミネラル含有組成物を金属塩の粒子として構築してもよい[77]。アルミニウム塩アジュバントは、より詳細に後述する。]
[0149] 水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムとして知られているアジュバントが使用され得る。これらの名称は慣用的であるが、便宜上使用されているものであって、いずれも、存在する実際の化合物の正確な記載ではない(例えば、参考文献76の第9章参照)。本発明では、一般にアジュバントとして使用されている任意の「水酸化物」または「リン酸塩」アジュバントが使用され得る。]
[0150] 「水酸化アルミニウム」として知られているアジュバントは、典型的にはオキシ水酸化アルミニウム塩であり、これは、通常、少なくとも一部分が結晶性である。オキシ水酸化アルミニウムは、式AlO(OH)で表されるものであり得、水酸化アルミニウムAl(OH)3などの他のアルミニウム化合物とは、赤外(IR)分光法によって、特に、1070cm−1における吸着バンドおよび3090〜3100cm−1における大きな肩部の存在によって識別され得る[参考文献76の第9章]。水酸化アルミニウムアジュバントの結晶化度は、半値幅(WHH)における回折バンド幅によって反映され、結晶性が不充分な粒子は、微結晶サイズが小さいため、大きく広がったラインを示す。表面積は、WHHが増大するにつれて増大し、アジュバントは、大きなWHH値を有するほど大きな抗原吸着能を有することが観察された。繊維状の形態構造(例えば、透過型電子顕微鏡写真において見られる)は、水酸化アルミニウムアジュバントに典型的である。水酸化アルミニウムアジュバントのpIは典型的には約11である、すなわち、アジュバント自体は、生理学的pHにおいて正の表面電荷を有する。水酸化アルミニウムアジュバントについて、pH7.4で1.8〜2.6mgタンパク質/mg Al+++の吸着能が報告されている。]
[0151] 「リン酸アルミニウム」として知られているアジュバントは、典型的にはヒドロキシリン酸アルミニウムであり、これは、多くの場合、少量の硫酸塩(すなわち、ヒドロキシリン酸アルミニウム硫酸塩)も含有している。これは、沈殿によって得られ得、沈殿時の反応条件と濃度は、塩内でヒドロキシルがリン酸基に置換される程度に影響する。ヒドロキシリン酸塩は、一般的に、0.3〜1.2のPO4/Alモル比を有する。ヒドロキシリン酸塩は厳密なAlPO4とは、ヒドロキシル基の存在によって識別され得る。例えば、3164cm−1におけるIRスペクトルバンド(例えば、200℃まで加熱した場合)は、ヒドロキシル構造の存在を示す[参考文献76の第9章]。]
[0152] リン酸アルミニウムアジュバントのPO4/Al3+モル比は、一般的に、0.3〜1.2、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.95+0.1である。リン酸アルミニウムは、一般的に、特にヒドロキシリン酸塩の場合、アモルファスである。典型的なアジュバントは、0.84〜0.92のPO4/Alモル比を有するアモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムである(0.6mg Al3+/mlで含む)。リン酸アルミニウムは、一般的に微粒状である(例えば、透過型電子顕微鏡写真において見られるようなプレート様形態構造)。粒子の典型的な直径は、任意の抗原吸着後、0.5〜20μm(例えば、約5〜10μm)の範囲である。リン酸アルミニウムアジュバントについて、pH7.4で0.7〜1.5mgタンパク質/mg Al+++の吸着能が報告されている。]
[0153] リン酸アルミニウムの荷電ゼロ点(PZC)は、ヒドロキシルとのリン酸基の置換の程度に反比例し、この置換の程度は、沈殿による塩の調製に使用される反応条件および反応体の濃度に応じて異なり得る。また、PZCも、溶液中の遊離リン酸イオンの濃度を変化させること(より多くのリン酸イオン=より酸性のPZC)、またはヒスチジンバッファーなどのバッファーを添加すること(PZCがより塩基性となる)により変更される。本発明に従って使用されるリン酸アルミニウムは、一般的に、4.0〜7.0、より好ましくは5.0〜6.5、例えば約5.7のPZCを有する。]
[0154] 本発明の組成物を調製するために使用されるアルミニウム塩の懸濁液に、バッファー(例えば、リン酸またはヒスチジンまたはTrisバッファー)を含めてもよいが、これは必ずしも必要ではない。該懸濁液は、好ましくは滅菌されており、パイロジェンフリーである。該懸濁液は、例えば1.0〜20mM、好ましくは5〜15mM、より好ましくは約10mMの濃度で存在する遊離の水性リン酸イオンを含むものであり得る。また、該懸濁液は塩化ナトリウムを含むものであってもよい。]
[0155] 本発明では、DARONR1XTMのような、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物が使用され得る。この場合、リン酸アルミニウムは水酸化物よりも多い方がよく、例えば、重量比は少なくとも2:1、例えば、>5:1、>6:1、>7:1、>8:1、>9:1などである。]
[0156] 患者への投与のための組成物中のAl+++の濃度は、好ましくは10mg/ml未満、例えば、<5mg/ml、<4mg/ml、<3mg/ml、<2mg/ml、<1mg/mlなどである。好ましい範囲は0.3〜lmg/mlである。最大0.85mg/用量が好ましい。]
[0157] B.油性乳剤
本発明におけるアジュバントとしての使用に適した油性乳剤組成物としては、スクアレン−水乳剤、例えば、MF59(参考文献76の第10章参照;参考文献78も参照のこと)(5%スクアレン、0.5%Tween80、および0.5%Span85、マイクロフルイダイザーを用いてサブミクロン粒子に構築)が挙げられる。また、完全アジュバントアジュバント(CFA)および不完全アジュバントアジュバント(IFA)も使用され得る。]
[0158] 乳剤中の油滴は、一般的に5μm未満の直径であり、サブミクロン直径を有する場合でさえあり得、このような小径はマイクロフルイダイザーを用いて達成され、安定な乳剤が得られる。220nm未満の径を有する液滴は、濾過滅菌に供することができるため好ましい。]
[0159] C.サポニン製剤(参考文献76の第22章参照)
サポニン製剤もまた、本発明におけるアジュバントとして使用され得る。サポニンは、広範な植物種の樹皮、葉、茎、根、さらには花にも見られるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種群である。Quillaia saponaria Molina樹木の樹皮由来のサポニンは、アジュバントとして広く研究されている。また、サポニンは、Smilax ornata(sarsaprilla)、Gypsophilla paniculata(brides veil)、およびSaponaria officianalis(soap root)から商業的に入手することもできる。サポニンアジュバント製剤としては、QS21などの精製製剤、ならびにISCOMなどの脂質製剤が挙げられる。QS21は、STIMULON(TM)として市販されている。]
[0160] サポニン組成物は、HPLCおよびRP−HPLCを用いて精製されたものである。このような手法が使用された具体的な精製画分が同定されており、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cが挙げられる。好ましくは、サポニンはQS21である。QS21の作製方法は、参考文献79に開示されている。サポニン製剤には、ステロール(コレステロールなど)が含まれることがあり得る(参考文献80)。]
[0161] サポニンとコレステロールの組み合わせは、免疫賦活複合体(ISCOM)と称される特殊な粒子を形成するために使用され得る(参考文献76の第23章参照)。また、ISCOMは、典型的には、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンなどなどのリン脂質を含む。任意の既知のサポニンがISCOMに使用され得る。好ましくは、ISCOMは、QuilA、QHAおよびQHCの1種類以上を含む。ISCOMは、参考文献80〜82にさらに説明されている。任意選択で、ISCOMSは、さらなるデタージェントを含まないものであり得る(参考文献83)。]
[0162] サポニン系アジュバントの開発の概説は、参考文献84および85を見るとよい。]
[0163] D.ビロソームおよびウイルス様粒子
ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)もまた、本発明におけるアジュバントとして使用され得る。このような構造体は、一般的に、任意選択でリン脂質と会合または構築されたウイルス由来の1種類以上のタンパク質を含む。これらは、一般的に、非病原性であり、非複製性であり、一般的に天然ウイルスゲノムを全く含まない。ウイルスタンパク質は、組換えにより作製されたものであってもよく、完全体ウイルスから単離されたものであってもよい。ビロソームまたはVLPにおける使用に適したこのようなウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス(HAまたはNAなど)、B型肝炎ウイルス(コアまたはキャプシドタンパク質など)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNA−ファージ、Qβ−ファージ(外被タンパク質など)、GA−ファージ、fr−ファージ、AP205ファージ、およびTy(レトロトランスポゾンTyタンパク質p1など)に由来するタンパク質が挙げられる。VLPは、参考文献86〜91にさらに論考されている。ビロソームは、例えば参考文献92にさらに論考されている。]
[0164] E.細菌誘導体または微生物誘導体
本発明における使用に適したアジュバントは、細菌誘導体または微生物誘導体、例えば、腸内細菌リポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、リピドA誘導体、免疫賦活性オリゴヌクレオチドならびにADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体などを包含する。]
[0165] LPSの非毒性誘導体としては、モノホスホリルリピドA(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAと4、5または6アシル化鎖との混合物である。3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの好ましい「小粒子」形態は、参考文献93に開示されている。かかる3dMPLの「小粒子」は、0.22μm膜で滅菌濾過されるのに充分小さい(参考文献93)。他の非毒性LPS誘導体としては、モノホスホリルリピドA模倣物、例えば、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529)(参考文献94,95)などが挙げられる。]
[0166] リピドA誘導体としては、OM−174などの大腸菌由来のリピドAの誘導体が挙げられる。OM−174は、例えば参考文献96および97に記載されている。]
[0167] 本発明におけるアジュバントとしての使用に適した免疫賦活性オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列(グアノシンにリン酸結合によって連結された非メチル化シトシンを含むジヌクレオチド配列)が挙げられる。パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含む二本鎖RNAおよびオリゴヌクレオチドもまた、免疫賦活性であることが示されている。]
[0168] CpGは、ヌクレオチド修飾/類似体(ホスホロチオエート修飾など)を含むものであってもよく、二本鎖であっても単鎖であってもよい。参考文献98、99および100には、可能な類似置換(例えば、2’−デオキシ−7−デアザグアノシンでのグアノシンの置き換え)が開示されている。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、参考文献101〜106にさらに論考されている。]
[0169] CpG配列は、TLR9に対するものであり得る(モチーフGTCGTTまたはTTCGTTなど)(参考文献107)。CpG配列は、Th1免疫応答の誘導に特異的であってもよく(CpG−AODNなど)、B細胞応答に対してより特異的であってもよい(CpG−B ODNなど(such a))。CpG−AおよびCpG−B ODNは、参考文献108〜110に論考されている。好ましくは、CpGはCpG−A ODNである。]
[0170] 好ましくは、CpGオリゴヌクレオチドは、5’末端が受容体の認識に利用可能となるように構築される。任意選択で、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列をその3’末端で結合させ「イムノマー」を形成してもよい。例えば、参考文献107および111〜113を参照のこと。]
[0171] 細菌ADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体は、本発明におけるアジュバントとして使用され得る。好ましくは、そのタンパク質は、大腸菌(大腸菌熱不安定性エンテロトキシン「LT」)、コレラ(「CT」)、または百日咳(PT」)に由来するものである。粘膜経由アジュバントとしての無毒化ADP−リボシル化毒素の使用は、参考文献114に記載されており、非経口アジュバントとしての使用は、参考文献115に記載されている。毒素またはトキソイドは、好ましくは、AとBの両方のサブユニットを含むホロトキシンの形態である。好ましくは、Aサブユニットは無毒化変異を含む;好ましくは、Bサブユニットは変異されていない。好ましくは、アジュバントは、LT−K63、LT−R72、およびLT−G192などの無毒化LT変異型である。アジュバントとしてのADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体、特にLT−K63およびLT−R72の使用は、参考文献116〜123を見るとよい。アミノ酸置換の数の参照は、好ましくは、参考文献124(引用によりその全体が具体的に本明細書に組み込まれる)に示されたADP−リボシル化毒素のAおよびBサブユニットのアラインメントに基づいて行なう。]
[0172] F.ヒト免疫調節因子
本発明におけるアジュバントとしての使用に適したヒト免疫調節因子としては、サイトカイン、例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(参考文献125)など)(参考文献126)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子などが挙げられる。好ましい免疫調節因子はIL−12である。]
[0173] G.生体接着剤および粘膜接着剤
生体接着剤および粘膜接着剤もまた、本発明におけるアジュバントとして使用され得る。好適な生体接着剤としては、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア(参考文献127)または粘膜接着剤、例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体が挙げられる。キトサンおよびその誘導体もまた、本発明におけるアジュバントとして使用され得る(参考文献128)。]
[0174] H.ミクロ粒子
ミクロ粒子もまた、本発明におけるアジュバントとして使用され得る。生分解性であり非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物(arthydride)、ポリカプロラクトンなど)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)で形成されたミクロ粒子(すなわち、約100nm〜約150μmの直径、より好ましくは約200nm〜約33μmの直径、最も好ましくは約500nm〜約10μmの直径の粒子)が好ましく、任意選択で処理され、負電荷を有する表面(例えば、SDSで)または正電荷を有する表面(例えば、カチオン系デタージェント(CTABなど)で)を有する。]
[0175] I.リポソーム(参考文献76の第13章および第14章)
アジュバントとしての使用に適したリポソーム製剤の例は、参考文献129〜131に記載されている。]
[0176] J.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤
本発明における使用に適したアジュバントは、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル(参考文献132)を包含する。かかる製剤は、さらに、オクトキシノールと組み合わされたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(参考文献133)、ならびに少なくとも1種類のさらなる非イオン系界面活性剤(オクトキシノールなど)と組み合わされたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤(参考文献134)を包含する。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(ラウレス9)、ポリオキシエチレン−9−ステオリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン(theylene)−8−ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテルから選択される。]
[0177] K.ポリホスファゼン(PCPP)
PCPP製剤は、例えば、参考文献135および136に記載されている。]
[0178] L.ムラミルペプチド
本発明におけるアジュバントとしての使用に適したムラミルペプチドの例としては、N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)が挙げられる。]
[0179] M.イミダゾキノロン化合物
本発明におけるアジュバントとして使用するのに適したイミダゾキノロン化合物の例としては、イミキモド(TM)およびその相同物(例えば、レシキモド3M(TM))が挙げられ、参考文献137および138にさらに記載されている。]
[0180] また、本発明は、上記において特定したアジュバントの1つ以上の態様の組み合わせを含む。例えば、以下:(1)サポニンと水中油型乳剤(参考文献139);(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(参考文献140);(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;(4)サポニン(例えば、QS2I)+3dMPL+IL−12(任意選択で+ステロール)(参考文献141);(5)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油型乳剤(参考文献142)との組み合わせ;(6)SAF、10%スクアラン、0.4%TWEEN80(TM)、5%プルロニック−ブロックポリマーL121、およびthr−MDP含有(サブミクロン乳剤にマイクロフルイダイズしたもの、またはボルテックスして大粒系乳剤にしたもののいずれか)、(7)RIBI(TM)アジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem)、2%スクアレン、0.2 TWEEN80(TM)と、モノホスホリルリピドA(MPL)、ジミコール酸トレハロース(TDM)および細胞壁骨格(CWS)からなる群の1種類以上の細菌細胞壁成分含有;好ましくはMPL+CWS(DETOX(TM));ならびに(8)1種類以上のミネラル塩(アルミニウム塩など)+LPSの非毒性誘導体(3dMPLなど)のアジュバント組成物が本発明において使用され得る。]
[0181] 免疫賦活剤として作用する他の物質は、参考文献76の第7章に開示されている。]
[0182] 水酸化アルミニウムおよび/またはリン酸アルミニウムアジュバントの使用が特に好ましく、一般的には、抗原をこのような塩に吸着させる。リン酸カルシウムは別の好ましいアジュバントである。]
[0183] 該組成物は、滅菌および/またはパイロジェンフリーであるのがよい。組成物は、ヒトに関して等張性であるのがよい。]
[0184] 組成物は、バイアルにて提示してもよく、充填済みシリンジにて提示してもよい。シリンジは、針を取り付けたものであっても、そうでなくてもよい。シリンジは単回用量の組成物を含むものであるが、バイアルは単回用量を含むものであっても反復用量を含むものであってもよい。注射用組成物は、通常、液状の溶液または懸濁液である。あるいはまた、該組成物を、注射前に液状ビヒクルで液剤または懸濁剤にするための固体形態(例えば、凍結乾燥型)で提示してもよい。]
[0185] 組成物は、単位用量形態または反復用量形態でパッケージングされ得る。反復用量形態には、バイアルが充填済みシリンジよりも好ましい。有効投薬容量は、常套的に確立され得るが、注射用組成物の典型的なヒト用量は0.5mlの容量を有する。]
[0186] 組成物が使用前に即時調製されるものであり(例えば、成分が凍結乾燥形態で提示される)、キットとして提示される場合、キットは、2つのバイアルを含むものであってもよく、1つの充填済みシリンジと1つのバイアルを含み、シリンジの内容物は、バイアルの内容物を注射前に再活性化させるために使用されるものであってもよい。]
[0187] ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原(1種類または複数種)、ならびに必要に応じて任意の他の成分を含む。免疫学的有効量により、単回用量または一連の用量の一部のいずれかでの該量の個体への投与が、処置または予防に有効であるを意図する。この量は、処置対象の個体の健康状態および体調、処置対象の個体の年齢、分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫機構が抗体を合成する能力、所望される防御の程度、ワクチンの配合、処置担当医による病状の評価、ならびに他の関連要素に応じて異なる。この量は、常套的な治験によって決定され得る比較的広い範囲になることが予測され、各連鎖球菌コンジュゲートの典型的な量は、1μg〜20μg/コンジュゲート(糖として測定)である(in between)。]
[0188] したがって、本発明は、(a)上記のようなコンジュゲートを調製する工程;(b)該コンジュゲートを1種類以上の薬学的に許容され得る担体と混合する工程を含む、医薬組成物の調製方法を提供する。]
[0189] さらに、本発明は、(a)上記のようなコンジュゲートを調製する工程;(b)該コンジュゲートと1種類以上の薬学的に許容され得る担体と混合する工程;および(c)コンジュゲート/担体混合物を、バイアルまたはシリンジなどの容器内にパッケージングして医薬製剤を得る工程を含む、医薬製剤の調製方法を提供する。シリンジ内への挿入は、工場または外科処置にて行なわれ得る。]
[0190] また、本発明は、コンジュゲートを薬学的に許容され得る担体と混合する工程を含み、該コンジュゲートが上記のようなコンジュゲーション法のプロセスによって調製されたものである、糖−タンパク質コンジュゲートからの医薬組成物の調製方法を提供する。該コンジュゲーション法および混合工程は、大きく異なる時点で異なる人々によって異なる場所(例えば、異なる国)で行なわれてもよい。]
[0191] また、本発明は、糖−タンパク質コンジュゲートを医薬製剤にパッケージングするための方法であって、該コンジュゲートが上記のようなコンジュゲーション法のプロセスによって調製されたものであるを提供する。該コンジュゲーション法およびパッケージング工程は、大きく異なる時点で異なる人々によって異なる場所(例えば、異なる国)で行なわれてもよい。]
[0192] 医薬用途
また、本発明は、該組成物を患者に投与することを含む、患者の処置方法を提供する。患者は、疾患のリスクがある患者自体であってもよく、妊娠女性(先天性免疫処置)であってもよい。患者は好ましくはヒトである。ヒトは、任意の年齢、例えば、<2歳、2〜11歳、11〜55歳、>55歳などであり得る。]
[0193] また、本発明は、治療における使用のための組成物を提供する。また、本発明は、疾患の処置のための医薬の製造における該組成物の使用を提供する。好ましくは、疾患はインフルエンザまたは肺炎である。]
[0194] 組成物は、一般的に、患者に直接投与される。直接送達は、非経口注射(例えば、経皮、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、もしくは組織の間隙空間に)、または直腸内、経口、膣内、眼経由(optical)、経皮、皮内、経眼、経鼻、耳内もしくは他の粘膜投与によって行なわれ得る。筋肉内投与(例えば、大腿または上腕への)が好ましい。注射は針(例えば、皮下注射針)によるものであり得るが、無針注射も択一的に使用され得る。典型的な筋肉内用量は0.5mlである。]
[0195] 本発明は、全身性および/または粘膜免疫を誘起するために使用され得る。]
[0196] 投薬処置は、単回用量スケジュールであってもよく、反復用量スケジュールであってもよい。反復用量は、初回刺激免疫処置スケジュールおよび/または追加刺激免疫処置スケジュールにおいて使用され得る。初回刺激用量スケジュールの後に、追加刺激用量スケジュールが行なわれ得る。初回刺激用量間(例えば、4〜16週間)、および初回刺激と追加刺激間の好適なタイミングは、常套的に決定され得る。]
[0197] 細菌感染は、身体の種々の領域を侵すため、該組成物は種々の形態で調製され得る。例えば、該組成物は注射用剤として、液状の液剤または懸濁剤のいずれかとして調製され得る。また、液状ビヒクル中の液剤または懸濁剤に適した注射前の固形形態を調製してもよい(例えば、凍結乾燥組成物)。該組成物は、経表面投与のためには、例えば、軟膏、クリーム剤または粉末剤として調製され得る。該組成物は、経口投与のためには、例えば、錠剤もしくはカプセル剤として、またはシロップ剤(任意選択でフレーバーを添加)として調製され得る。該組成物は、肺内投与のためには、例えば、微粉末またはスプレーを用いて吸入剤として調製され得る。該組成物は、坐剤または膣坐薬として調製され得る。]
[0198] 該組成物は、経鼻、経耳または経眼投与のためには、例えば、スプレー剤、滴剤、ゲル剤または粉末剤として調製され得る(例えば、参考文献143および144)。注射用組成物が好ましい。]
[0199] 本発明の組成物のさらなる抗原性成分
本発明の方法はまた、連鎖球菌コンジュゲートを1種類以上の以下の他の抗原:
− Haemophilus influenzae B由来糖抗原(例えば、参考文献145の第14章)
− Neisseria meningitidisの血清群B精製由来タンパク質抗原
− Neisseria meningitidisの血清群B由来の外膜調製物
−A型肝炎ウイルス由来抗原、例えば、不活化ウイルス(例えば、46、147)
−B型肝炎ウイルス由来抗原、例えば、表面および/またはコア抗原(例えば、147、148)
−ジフテリア抗原、例えば、ジフテリアトキソイド(例えば、参考文献145の第13章)
−破傷風抗原、例えば、破傷風トキソイド(例えば、参考文献145の第27章)
− Bordetella pertussis由来抗原、例えば、百日咳ホロトキシン(PT)およびB. pertussis由来線維状赤血球凝集素(FHA)(任意選択で、ペルタクチンおよび/または凝集原2や3との組み合わせも)(例えば、参考文献149および150;参考文献145の第21章)
−ポリオ抗原(1種類または複数種)(例えば、151、152)例えば、IPV(参考文献145の第24章)
−麻疹、流行性耳下腺炎および/または風疹抗原(例えば、参考文献145の第19、20および26章)
−インフルエンザ抗原(1種類または複数種)(例えば、参考文献145の第17章)、例えば、血球凝集素および/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質
− Moraxella catarrhalis由来抗原(例えば、153)
− Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌属)由来タンパク質抗原(例えば、154、155)
− Streptococcus pyogenes(A群連鎖球菌属)由来抗原(例えば、155、156、157)
− Staphylococcus aureus由来抗原(例えば、158)
と混合する工程を含むものであり得る。]
[0200] 該組成物は、このようなさらなる抗原を1種類以上含むものであってもよい。]
[0201] 毒性タンパク質抗原は、必要な場合は無毒化され得る(例えば、化学的および/または遺伝学的手段による百日咳毒素の無毒化(参考文献150))。]
[0202] ジフテリア抗原を組成物に含める場合、破傷風抗原と百日咳抗原もまた含めることが好ましい。同様に、破傷風抗原を含める場合、ジフテリアと百日咳の抗原も含めることが好ましい。同様に、百日咳抗原を含める場合、ジフテリアと破傷風の抗原も含める(includ6)ことが好ましい。したがって、DTPの組み合わせが好ましい。]
[0203] 組成物中の抗原は、典型的には、各々、少なくとも1g/mlの濃度で存在させる。一般に、任意の所与の抗原の濃度は、該抗原に対する免疫応答が誘起されるのに充分な濃度である。]
[0204] 本発明の免疫原性組成物にタンパク質抗原を使用する択一例として、該抗原をコードする核酸(好ましくはDNA、例えば、プラスミドの形態)が使用され得る。]
[0205] 抗原は、好ましくはアルミニウム塩に吸着させる。]
[0206] 該組成物中に含めるための好ましい非連鎖球菌抗原は、Haemophilus influenzaeB型(Hib)を防御するものである;典型的には、これはHib莢膜糖抗原である。H. influenzae B由来糖抗原がよく知られている。]
[0207] 好都合には、特に小児において免疫原性を高めるため、Hib糖を担体タンパク質に共有結合によりコンジュゲートさせる。一般には、多糖コンジュゲート、特にHib莢膜多糖の調製に関して、充分に文献がある。]
[0208] 本発明では、任意の適当なHibコンジュゲートが使用され得る。好適な担体タンパク質は上記に記載しており、Rib糖に好ましい担体はCRM197(HbOC)、破傷風トキソイド(PRP−T)およびN. meningitidisの外膜複合体(PRP−OMP)である。]
[0209] コンジュゲートの糖部分は多糖(例えば、完全長ポリリボシルリビトールリン酸(PRP))であり得るが、多糖を加水分解してオリゴ糖(例えば、分子量約1〜約5kDa)を形成することが好ましい。]
[0210] 好ましいコンジュゲートは、アジピン酸リンカーによってCRM197に共有結合によって連結されたHibオリゴ糖を含むものである(参考文献159、160)。破傷風トキソイドもまた好ましい担体である。]
[0211] Hib抗原の投与により、好ましくは>0.15μg/ml、より好ましくは1μg/mlの抗PRP抗体濃度がもたらされる。]
[0212] 該組成物がHib糖抗原を含む場合、ともに水酸化アルミニウムアジュバントを含まないことが好ましい。組成物がリン酸アルミニウムアジュバントを含む場合、Hib抗原は、アジュバントに吸着させてもよく(参考文献161)、非吸着型であってもよい(参考文献162)。吸着の抑制は、抗原/アジュバントの混合時の正しいpH、適切な荷電ゼロ点を有するアジュバント、および組成物中の種々の異なる抗原の適切な混合順序(参考文献163)を選択することによりなされ得る。]
[0213] 本発明の組成物は、1種類より多くのHib抗原を含むものであってもよい。Hib抗原は、例えば、髄膜炎菌組成物での再構成のための凍結乾燥されたものであってもよい。したがって、Hib抗原は、髄膜炎菌コンジュゲートとは別にパッケージングしてもよく、ともに混合してもよい。]
[0214] 本発明の組成物に含めるための他の非連鎖球菌抗原は、性感染病(STD)由来のものである。かかる抗原により、クラミジア感染、陰部疱疹、肝炎(HCVなど)、陰部疣贅、淋病(gonorrhoeae)、梅毒および/または軟性下疳などのSTDの予防または治療が提供され得る(参考文献164)。抗原は、1種類以上のウイルス性または細菌性STDに由来するものであってもよい。本発明における使用のためのウイルス性STD抗原は、例えば、HIV、単純疱疹ウイルス(HSV−1やHSV−2)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、および/または肝炎(HCV)に由来するものであり得る。本発明における使用のための細菌性STD抗原は、例えば、Neisseria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis、Treponema pallidum、Haemophilus ducreyiまたは大腸菌に由来するものであり得る。]
[0215] 本発明の実施には、特に記載のない限り、当該技術分野の技能の範囲内である分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の慣用的な手法が使用される。かかる手法は、文献に充分説明されている。例えば、DNA Cloning,第I巻および第II巻(D.N Glover編1985);Oligonucleotide Synthesis(MTGait編,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D. Hames & ST Higgins編1984);Transcription and Translation(B.D. Hames & ST Higgins編1984);Animal Cell Culture(R.I. Freshney編1986);Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press,1986);B. Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);the Methodsin Enzymologyシリーズ(Academic Press,Inc.),特に、第154巻および第155巻;Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.H. Miller and M.P. Calos編1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Mayer and Walker編(1987),Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London);Scopes,(1987)Protein Purification:Principles and Practice,第2版(Springer−Verlag,N. Y.),Handbook of Experimental Immunology,第I〜IV巻(D.M. WeirおよびC. C. Blackwell編1986),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,第19版(1995);Methods In Enzymology(S. ColowickおよびN. Kaplan編,Academic Press,Inc.);ならびにHandbook of Experimental Immunology,第I〜IV巻(D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編,1986,Blackwell Scientific Publications);Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版,1989);Handbook of Surface and Colloidal Chemistry(Birdi,K.S.編,CRCPress,1997);Short Protocols in Molecular Biology,第4版(Ausubelら編,1999,John Wiley & Sons);Molecular Biology Techniques:An Intensive Laboratory Course,(Reamら編,1998,Academic Press);PCR(Introduction to Biotechniques Series),第2版(Newton & Graham編,1997,Springer Verlag);ならびにPetersおよびDalrymple,Fields Virology(第2版),Fieldsら(編),B.N. Raven Press,New York,NYを参照のこと。]
[0216] 本明細書では、ヌクレオチドおよびアミノ酸の標準的な略号を使用する。]
[0217] 本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。]
[0218] 実施例
本明細書における方法を例示するため、GBS疾患を有する患者から単離したStreptococcus agalactiae 090、H36b、M781、およびCBJ111(これらから、4つの代表的な血清型(Ia、Ib、III、およびV)が得られる)を試験した。]
[0219] 実施例1−5リットルおよび20リットルでの発酵
A)播種材料調製プロセスの開発
3種類のGBS血清型の培養試験を、1000mLの播種材料培養物:8g/LのNa2HPO4二水和物(Merck)、2g/LのNa2HPO4一水和物(Merck)、17g/Lの自己分解型酵母抽出物(Difco laboratories)、1mg/Lのビオチン(Merck)および33g/LのD−グルコース一水和物(Merck)を入れた5000mL容のバッフルなしの振盪フラスコにおいて行なった。化合物はすべて逆浸透水(ROW)に溶解させ、0.22μm孔径膜フィルター(Nalgene)に通す濾過によって滅菌し、次いで、オートクレーブ内で122℃で30分間滅菌した5000mL容三角フラスコに無菌的に添加した。]
[0220] 一連の振盪実験の各々について、培地(pH=7.3)に、異なる容量の解凍培養物(作業種菌株は、10%グリセロール中に−70℃で保存した)を播種し、水平型振盪器の小室(Innova 4330、偏心式 1インチ)内で、200rpmで攪拌しながら35℃でインキュベートした。]
[0221] 培養中の種々の時点で、590nmにおける光学密度を測定し(Spectrophotometer novaspecII−Pharmacia Biotech)、また、光学密度値が0.5以上になったとき、pH値もモニターした(pHメーターMetrohm)。対数期の期間中の倍加時間を、増殖曲線の線形部分の回帰解析によって求めた。直線の傾きは、最大比増殖速度μmax、および式td=ln2/μによる倍加時間(td)に相当する。]
[0222] B)5リットルおよび20リットル容発酵槽の準備
槽を満たし、培養培地を滅菌する前、発酵槽の計器(pH電極およびpO2メーター)を、標準的な方法を用いて較正した。]
[0223] GBSは栄養要求性生物であるため、その増殖に必要とされる特定の有機化合物(アミノ酸やビタミンなど)を合成する能力をもたない。このため、WO07/052168に記載のような、動物起源の成分を含まない低コスト複合培地が開発された。]
[0224] 多糖の生産に使用した基本培地は、2g/LのNa2HPO4二水和物(Merck)、16.7g/Lの自己分解型酵母抽出物(Difco laboratories)、32g/LのD−グルコース一水和物(Merck)、1mg/Lのビオチン(Merck)、0.5mg/Lの塩酸チアミン(BDH Laboratories)、0.5mg/Lのリボフラビン(Fluka)、0.5mg/Lのニコチン酸(Carlo Erba)0.5mg/Lの塩酸ピリドキシン(Sigma)および起泡の形成を抑制するための1mL.L−1ポリプロピレングリコール(BDH Laboratories)を含むものとした。]
[0225] 空の培養槽の滅菌は可能でないため、発酵槽に、リン酸塩、酵母抽出物およびポリプロピレングリコール(7L容発酵槽では4.2L、および30L容発酵槽では16L)を満たし、121℃で30分間インサイチュ滅菌した。滅菌中、一部液体が蒸発した。蒸発による液体の正確な減損量は培地の高さで経験的に評価されるため、滅菌前に過剰量の水を添加した(7L容発酵槽では0.5L、および30L容発酵槽では1L)。]
[0226] パラレルで、D−グルコース一水和物の濃縮溶液(550g/L)とビタミン(塩酸チアミン、ニコチン酸、塩酸ピリドキシンは0.5g/L、リボフラビンは0.05g/L、およびビオチンは0.2g/L)をROWに溶解させ、0.22μm孔径膜フィルター(Nalgene)に通す濾過によって別々に滅菌し、次いで発酵槽に無菌的に添加し、発酵槽内での適正な終濃度を得た(7L容発酵槽では:300mLのD−グルコース一水和物、25mLのビオチン、5mLのビタミン溶液(塩酸チアミン、ニコチン酸、塩酸ピリドキシン)および50mLのリボフラビン;30L容発酵槽では:1000mLのD−グルコース一水和物、100mLのビオチン、17mLのビタミン溶液および170mLのリボフラビン)。]
[0227] C)5Lおよび20L容発酵槽中での培養
GBSによるcpの発現は、細菌病原体の莢膜内の他のものの場合と同様、構成的ではなく、インビトロでの培養中および種々の感染部位から単離された初代培養物において種々である(参考文献173)。かかる観察結果にもかかわらず、GBSにおけるこの表面発現炭水化物抗原の調節についてはほとんどわかっていない。連続式培養における菌体増殖速度は、既に、莢膜多糖の生産を調節する主要因子であることが報告され、III型莢膜多糖の増殖速度依存性生産は、増殖制限栄養素とは独立して起こった。実際、cpの生産は、菌体を高速(1.4時間−1)の質量倍加時間で保持した方が、低速(11時間−1)培養よりも多かった(参考文献174)。]
权利要求:

請求項1
(a)cpを発現する連鎖球菌属菌株の播種材料を準備すること、および(b)該菌株を発酵によって培養することを含み、前記培養は、培養培地への炭素源の線形添加を含み、該培養培地のpHをモニタリングすることにより該培養を制御するためのアルゴリズムを使用しない、製造規模での莢膜多糖(cp)の生産のための連鎖球菌属の培養方法。
請求項2
さらに、莢膜多糖を回収する工程(c)を含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記連鎖球菌属菌株が、さらにStreptococcusagalactiaeを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
請求項4
前記Streptococcusagalactiae菌株が090、H36b、CBJ111、またはM781である、請求項3に記載の方法。
請求項5
前記播種材料の光学密度(OD)が約0.6と約1.8の間である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
請求項6
前記培養培地のpHが約6.0と約7.5の間である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
請求項7
前記pHが約7.3である、請求項6に記載の方法。
請求項8
前記培養培地の温度が約34℃と約38℃の間である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
請求項9
前記温度が約36℃である、請求項8に記載の方法。
請求項10
前記炭素源が、さらにグルコースを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
請求項11
前記培養が、さらに、ODが指定レベルに達したら前記炭素源の線形添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
請求項12
前記指定レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項11に記載の方法。
請求項13
前記指定レベルが約9.8と約10.2の間である、請求項11または請求項12に記載の方法。
請求項14
前記指定レベルが約10である、請求項13に記載の方法。
請求項15
前記培養が、さらに、ODが第1および第2の即時添加レベルに達したら、前記炭素源の線形添加の前に酵母抽出物の2回の即時添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
請求項16
前記第1および第2の即時添加レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項15に記載の方法。
請求項17
前記第1の即時添加レベルが約2.8と約3.2の間である、請求項16に記載の方法。
請求項18
前記第1の即時添加レベルが約3.0である、請求項17に記載の方法。
請求項19
前記第2の即時添加レベルが約4.3と約4.7の間である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
請求項20
前記第2の即時添加レベルが約4.5である、請求項19に記載の方法。
請求項21
前記培養培地が、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む規定培地であり、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
請求項22
前記培養培地が、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む複合培地であり、前記ビタミン源が以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
請求項23
連鎖球菌属菌株、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、培養培地。
請求項24
前記連鎖球菌属がStreptococcusagalactiaeである、請求項23に記載の培養培地。
請求項25
前記リン酸源が、K2HPO4、KH2PO4、Na2HPO4・H2O、NaH2PO4・H2O、またはNaClからなる、請求項23または請求項24に記載の培養培地。
請求項26
前記炭素源がグルコースである、請求項23〜25のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項27
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの6種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項28
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの5種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項29
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの4種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項30
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの3種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項31
前記ビタミン源がパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドからなる、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項32
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの19種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項33
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの18種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項34
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの17種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
請求項35
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの16種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
請求項36
前記アミノ酸源が、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンからなる、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
請求項37
連鎖球菌属菌株、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、培養培地。
請求項38
前記連鎖球菌属がStreptococcusagalactiaeである、請求項37に記載の培養培地。
請求項39
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
請求項40
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される3種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
請求項41
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される2種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
請求項42
前記ビタミン源がビオチンからなる、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
請求項43
付着性フィルターを用いた濾過工程を含む、Streptococcusagalactiaeから莢膜多糖を精製するための方法。
請求項44
前記莢膜多糖を沈殿させるためのカチオン系デタージェント処理工程、その後の該莢膜多糖の再可溶化工程を含まない、請求項43に記載の方法。
請求項45
前記付着性フィルターがタンパク質付着性フィルターである、請求項43または請求項44に記載の方法。
請求項46
前記付着性フィルターがカーボンフィルターである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
請求項47
付着性フィルターを用いた濾過工程の前に、以下の工程:(i)夾雑タンパク質および/または核酸のアルコール沈殿;ならびに(ii)ダイアフィルトレーションを行なう、請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
請求項48
付着性フィルターを用いた濾過工程の後に、以下の工程:(iv)再−N−アセチル化;(v)ダイアフィルトレーションを行なう、請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法。
請求項49
(a)莢膜多糖を含む粗製分離物を準備すること;(b)該粗製分離物をアルコール溶液と接触させることによって形成されたアルコール沈殿物を取り出すこと;(c)莢膜多糖を保持したまま低分子量化合物を除去するために濾過すること;および(d)タンパク質付着性フィルターを用いてタンパク質夾雑物を除去し、精製莢膜多糖を生成することを含む、精製莢膜多糖の生産方法。
請求項50
さらに、前記精製莢膜多糖を再−N−アセチル化する工程(e)を含む、請求項49に記載の方法。
請求項51
さらに、前記精製莢膜多糖を沈殿させる工程(f)を含む、請求項50に記載の方法。
請求項52
さらに、前記莢膜多糖を一成分として有するワクチンを製剤化する工程(g)を含む、請求項51に記載の方法。
請求項53
工程(b)が、核酸夾雑物を沈殿させるが莢膜多糖は沈殿させないのに充分な濃度までアルコール溶液を添加することを含む、請求項49〜52のいずれか1項に記載の方法。
請求項54
前記アルコール溶液がエタノールを含む、請求項53に記載の方法。
請求項55
前記アルコール溶液が、さらにCaCl2を含む、請求項53または請求項54に記載の方法。
請求項56
前記アルコール溶液が約10%と約50%の間のエタノール濃度まで添加される、請求項54または請求項55に記載の方法。
請求項57
前記アルコール溶液が約30%のエタノール濃度まで添加される、請求項56に記載の方法。
請求項58
前記タンパク質付着性フィルターが活性炭フィルターである、請求項49〜57のいずれか1項に記載の方法。
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